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       実力をつける地理〜問題5例 E-juku1st.Comの中学数・英問題集

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 HOME 実力をつける地理問題集 歴史の要点・総まとめ問題集 <新版>入試社会の攻略問題集


    地理編
1.北緯40度の緯線と赤道が大事<地理編VOL.1>
.経線と時差の計算問題について
3.統計や資料に強くなる NO.1<日本の都道府県の人口
4.統計や資料に強くなる NO.2<世界の国の人口> 
5.統計や資料に強くなる NO.3 <輸入品目の国別割合>


 社会に関するブログのひとつです。ご参考まで。
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 実力をつける地理と歴史―<入試社会について思うこと>
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 社会の地理に関する問題を、3問用意しました。文章を読んで頭で勝手適当
に想像するより、具体的な問題にあたって肌で実感し直接思考するほうが、は
るかに意味があるでしょう。

 うちの子は社会が苦手なんだけどどうやって勉強すればいいのかとか、逆に、
社会の科目は評価5をもらっているのでまあ大丈夫だろうとか、日頃の勉強も
まずまずやっていて、平常のテストでは90点以上とっているから実力的にもそ
んなに心配はいらないだろうとか、いま偏差値が57くらいでできれば65くらい
まで伸ばすにはどうすればいいのかとか、いろいろな判断や思案があろうかと
思いますが、では実際に子供がどこまでわかっているのか、具体的にどの程度
の力を身につけているのかとなると、英語や数学はある程度知っていても社会
となるとけっこうご存じない方が、あるいは正確に掴んでおられない方が多い
かと推測します。

 そこで入試社会の観点より、レベルの異なる地理の問題を3問用意したわけ
です。たった3問でわかるのかといえば、もちろん全体の学力はわかりません。
しかし、あるひとつの重要な部分がどうなのかは、はっきり見えます。

 中3生なら、入試に対応した勉強がうまくできているのか、中1生なら、学校
の授業にだけ依存した狭い学習だけを行っているのではないか、中2生なら、
もはや学習が済んだ地理の知識がどの程度実力として残っているのか、といっ
たぐあいです。

【A】は実力テストレベル、【B】は公立入試レベル、【C】は難関私立入試レ
ベルの問題、としました。ぜひ中1生から中3生は印刷して、チャレンジしてみ
てください。いまの社会の勉強のしかたとその内容に、また今後の勉強の進め
方に参考になることもあろうかと考えています。(あとできれば、ご父母の方
にもぜひ今回はトライしてほしいものです。社会なんて嫌い、それも地理なん
て大嫌いだった、なんて方も多いかもしれません。それは無理にお勧めするも
のではありませんが、そうでもないかなと想わる方は、面白半分、興味本位で
いいのでやってみてください。問題のレベル差と何がいったい求められている
のかが、より実感できるかと思いますので。)

 解答と解説、及びアドバイスなどは、問題のすぐ下にあります。生徒のレベ
ルにのんびり合わせていると、まっとうな学力はつかないばかりか、井の中の
蛙状態(公立中学の授業レベル)になりかねません。ですから解説とアドバイ
スは、きびしく書かせていただきました。

 <問題3つ>〜印刷部分 制限時間:10分(〜15分)
<注>:( )内は%を表している。実際は少数第一位まで書かれているが、
ここでは四捨五入してあります。また表やグラフの表記ができないので省略。
なお統計上の数値や順位ってものは、地理の場合つねにすこし変動するもので
すが、できるだけ最新のものを用いています。

【A】実力テストレベル
----------------------------------------------------------------------
 次のA,B,Cは、日本が輸入している主な農産物または鉱産物資源で、その相
手国の第3位までを示している。それは何か、下のアからカの中より選び、記
号を[ ]に書きなさい。

A オーストラリア(61) ブラジル(22) インド(7)
B アメリカ(60) カナダ(20) オーストラリア(20)
C サウジアラビア(30) アラブ首長国連邦(20) カタール(12)

ア.原油 イ.鉄鉱石 ウ.石炭 エ.小麦 オ.大豆 カ.とうもろこし

解答欄 A-[  ] B-[  ] C-[  ]
----------------------------------------------------------------------

【B】公立入試レベル
----------------------------------------------------------------------
 次の資料は、アメリカ、オーストラリア、ブラジル、タイの4カ国のいずれ
かで、日本への輸出額に占める上位3品目を示している。アメリカとオースト
ラリアを示しているのはどれか、A〜Dの記号を選んで[ ]に答えなさい。

A 鉄鉱石(42) 肉類(13) アルミニウム(6)
B 機械類(29) 航空機類(7) とうもろこし(6)
C 石炭(42) 液化天然ガス(16) 鉄鉱石(14)
D 機械類(34) 魚介類(7) 肉類(6)

解答欄 アメリカ-[  ] オーストラリア-[  ]
----------------------------------------------------------------------

【C】難関私立入試レベル
----------------------------------------------------------------------
 次の表は、アメリカ合衆国と中国が上位3位までに位置するAからFの6項目に
ついて、各国別の割合を示したものである。表中のAからFが示す項目として適
切なものを、下のアからカの中らそれぞれ選び、記号で答えなさい。

A-中国(20) インド(18) アメリカ(5) インドネシア(4) ブラジル(3)
B-アメリカ(15) ドイツ(8) 中国(7) イギリス(5) 日本(5)
C-ドイツ(10) 中国(9) アメリカ(9) 日本(6) フランス(4)
D-日本(16) 中国(13) アメリカ(12) ドイツ(9) 韓国(5)
E-中国(13) インド(12) アメリカ(9) ロシア(8) フランス(5)
F-中国(38) 日本(9) アメリカ(7) ロシア(5) インド(4)

ア.小麦生産 イ.自動車生産台数 ウ.人口 エ.粗鋼生産量 オ.輸出額 
カ.輸入額

解答欄A-[  ] B-[  ] C-[  ] D-[  ] E-[  ] F-[  ]
----------------------------------------------------------------------
 <↑印刷部分はここまで>

★ここから解答と解説、そして厳しい指摘を交えたアドバイスを書かせていた
だきます。

 <解答>
【A】実力テストレベル
----------------------------------------------------------------------
 次のA,B,Cは、日本が輸入している主な農産物または鉱産物資源。

A オーストラリア(61) ブラジル(22) インド(7)
B アメリカ(60) カナダ(20) オーストラリア(20)
C サウジアラビア(30) アラブ首長国連邦(20) カタール(12)

ア.原油 イ.鉄鉱石 ウ.石炭 エ.小麦 オ.大豆 カ.とうもろこし

解答欄 A-[イ] B-[エ] C-[ア]
----------------------------------------------------------------------
 もうどれも定番の基礎知識を問う問題である。まず一番やさしくはじめにわ
かるものは、Cの原油である。第1位はずっとサウジアラビアであったが、ここ
最近アラブ首長国連邦が1位になり、また現在は再びサウジアラビアが1位に返
り咲いたって感じ。3位にカタール、またイランなどが来る。

 次にできなければならないのは、Aの鉄鉱石である。オーストラリア、ブラ
ジル、インドの順位は長年不動で、逆の問いの形、つまり、鉄鉱石の輸入相手
国3つは諳んじて言えなければならない。

 この知識が基礎とすれば、応用は鉄鉱石の国別産出量のランクである。中国、
ブラジル、オーストラリア、インドの順。ちなみに1位の中国は、まだそれで
も足りずオーストラリアから輸入しており、オーストラリアからみて、長年輸
出先の1位であった日本にとって代わって中国が1位になり、現在は産出額の半
分ほどを中国に輸出している状況である(日本は4分の1くらい)。
 
 最後にB。アメリカ、カナダ、オーストラリアと来れば、これは小麦。暗記
しておくべき問題である。

 この小麦はほかの2つに較べすこし難しいが、されど3問ともできて当たり前
の学力をもっておきたい。

 なぜなら、ここに載っている石炭も、とうもろこしも、大豆も、そしてここ
には載っていない液化天然ガスや木材(及び天然ゴム)も、その輸入相手国が
どこの国なのかという、「およその順位」と円グラフや棒グラフを使った表記
上の判断ができるようになっておくのが、社会のひとつの大事な勉強であり、
基礎知識に関する実力であるからである。

 さて、この3品目の問題がすべて、なんなくできたであろうか? そうでな
い場合、自分の勉強の中身とやり方、また実力を振り返ったほうがいい。この
3品目ができないようでは、ほかにまだある5,6の品目がどうして覚えられよ
うか、ということ。

【B】公立入試レベル
----------------------------------------------------------------------
 アメリカ、オーストラリア、ブラジル、タイの4カ国のいずれかで、日本へ
の輸出額に占める上位3品目を示している。

A 鉄鉱石(42) 肉類(13) アルミニウム(6)
B 機械類(29) 航空機類(7) とうもろこし(6)
C 石炭(42) 液化天然ガス(16) 鉄鉱石(14)
D 機械類(34) 魚介類(7) 肉類(6)

解答欄 アメリカ-[B] オーストラリア-[C]
----------------------------------------------------------------------
 公立入試レベルとしたが、公立入試レベルと実力テストレベルの問題にはさ
して差異はない。2問あれば、1問はどの生徒もほぼできるような問題で、もう
1問が少しややこしくなっているのが定番的な出題方法。
 
 この問題の場合、やさしいのはアメリカのBである。航空機があればアメリ
カに決まっている。では、オーストラリアはA,C,Dのいずれか? どれもまぎ
らわしいところがありますね。何がまぎらわしいかをすこし書いておきますと、
Aにも鉄鉱石があることと、肉類はオーストラリアから日本に輸入されており
(第4位)、CかAかの判断である。さらに、アルミニウムの原料であるボーキ
サイトはオーストラリアが世界1位なので、そのへんをもし知っていればさら
にややこしいと感じるだろう。

 オーストラリアからの輸入品目は、昔なら羊毛や肉類などもあってわかりや
すかったけれど、いまは鉱産物資源の割合がとても高く、石炭、液化天然ガス、
鉄鉱石の順であり、これもしっかり暗記しておくべき知識である。よって答え
はC。

 あとは解答以外になるがブラジルもしっかり知っておくのが基本。ふつうコ
ーヒー豆でわかるのだけど、いまは第4位くらい。鉄鉱石、肉類、アルミニウ
ムの順でA。タイは残りのD。魚介類ってのは、インドネシアやタイから輸入し
ている「エビ」が中心かと思える。

 これも2問とも、正解を出す力がほしい。社会の入試点が平気点あたりの生
徒なら1問でもいいが、公立トップ高やあるいは社会で90点以上、また95点と
高得点を目指す生徒なら、2問とも確実にできることが求められる。

 紛らわしかったり、どちらか迷う問題を、紛らわしく感じず的確に、かつ瞬
時に判断できる基本の知識をもつこと、これがほんとうの実力である。

【A】も【B】も設問のしかたは違うけれど、ほぼ同質の同レベルの問題であ
る。覚えておくべき事柄は多いのだ。それをすこしでもいま、【A】【B】の
問題と解説をとおして実感し、認識しておいてほしい。

 社会は暗記科目であると決めつけるわけではないけれど、こうした問題や知
識は完全に暗記であり、暗記以外の何者でもない。入試で社会を平均の50点、
あるいは60点〜70点をとることが目標なら、中3の秋以降に頑張って暗記すれ
ばいいが、90点以上また95点くらいを確実にとることを目指すなら、たとえ
すこし忘れるにしても、1,2年生のあいだにもうすこし突っ込んだ問題演習と、
くり返しによる深い暗記の学習を積んでおくのが条件であると考えているが、
さてどうでしょうか?

【C】難関私立入試レベル
----------------------------------------------------------------------
 アメリカ合衆国と中国が上位3位までに位置するAからFの6項目について、各
国別の割合を示したものである。

A-中国(20) インド(18) アメリカ(5) インドネシア(4) ブラジル(3)
B-アメリカ(15) ドイツ(8) 中国(7) イギリス(5) 日本(5)
C-ドイツ(10) 中国(9) アメリカ(9) 日本(6) フランス(4)
D-日本(16) 中国(13) アメリカ(12) ドイツ(9) 韓国(5)
E-中国(13) インド(12) アメリカ(9) ロシア(8) フランス(5)
F-中国(38) 日本(9) アメリカ(7) ロシア(5) インド(4)

ア.小麦生産 イ.自動車生産台数 ウ.人口 エ.粗鋼生産量 オ.輸出額 
カ.輸入額

解答欄A-[ウ] B-[カ] C-[オ] D-[イ] E-[ア] F-[エ]
---------------------------------------------------------------------
 いやらしい問題ですね。読んですぐわかる問題ではありません。よく思考し
なけばなりません。持てる知識、つまり暗記している知識の総動員といったと
ころです。

 アからオをにらんでまず解けるところから。ウの人口。中国(13億人)、イ
ンド(12億人)、アメリカ(3億1000万人)、インドネシア(2億4000万人)、
ブラジル(2億人)。どれも凡そだけど、覚えていて当然。ということで、Aが
ウになる。

 次は、小麦の生産量が多い国の順位。これは小麦の輸出国のグラフなどでも
判断し得るノウハウであるが、フランスに着目すればいい。CとEにフランスが
出てくるが、Cには日本があるので、これはあり得ない。よって、Eが小麦生産
のアであることがわかる。

 次はどうか。オの輸出額とカの輸入額などは、わたしでもノーマークの問題
だ。わからん。よって、後回し。

 イの自動車生産台数を考える。B,C,D,Fのなかで。ロシア、インドがあるFは
ありえないから消える。Cも中国が2位などはまだ考えれないし、ドイツの1位
も考えれないからこれも消える。残るはBかD。Bの日本が5位などは考えられな
いから、決定。Dが自動車生産台数(イ)である。日本、アメリカ、ドイツが
あるので、納得。それにしても中国がアメリカを抜いて2位なのには愕くが。

 次は粗鋼生産量のエ。粗鋼生産とは鉄鋼生産とほぼ同義だろう。B,C,Fが残
っている。Cのドイツが1位で、フランスが5位なのは、どうも考えられない。
BかFである。Bのイギリスが日本と同じくらいなのはどうも考えにくいし、Fが
そうなのか、それにしても割合が、Fは中国が38と圧倒的にほかの国を引き離
しているのには驚嘆である。まあ一応、Fが粗鋼生産量(エ)としておく。

 最後、BとCが、輸出額と輸入額の順位なのだろうか? BとCの輸出額と輸入
額が、この5カ国でほぼ同じというか釣り合うとは考えられないが、まあ割合
から考えてみて、日本は貿易黒字だから輸出のほうが輸入より多いとして、
それで( )の数値をみると、C-日本(6)、B-日本(5)よりCが輸出額であろう
と判断できようか。アメリカは貿易赤字だから、それで検証しても同じ結果と
なる。よって、Cがオ、Bがカとなる。

 どうでしょうか。詳しく解説してみましたが【C】は、【A】や【B】とあき
らかに問題の出し方、レベルなどが違いますね。たんなる知識の暗記だけでは
解けない、思考力と分析力も要るかと思います。しかし、全問正解とは行かず
とも、それなりに正解数を得るには、やはり相当量の基本の知識が要ることに
変わりありません。

 どのように社会の勉強をしてゆくべきか、またふだんにどのくらい深く、広
く暗記していくべきか。それは各自で考えてもらうとして、その勉強を考える
ひとつのキッカケに今回の内容がなれば、さいわいです。