E-juku1st.Comの中学数・英問題集        
       実力をつける地理〜問題5例 E-juku1st.Comの中学数・英問題集

中学オリジナル各問題集 ご利用者の声 問題集の価格 中学生の学習のしか お問い合わせ ご注文

 HOME 実力をつける地理問題集 歴史の要点・総まとめ問題集 <新版>入試社会の攻略問題集


  実力をつける地理と歴史―高校入試へ向けて― 
 §5.<地理編VOL.5>
● 統計や資料に強くなる NO.3 <輸入品目の国別割合>

 世界における農産物の「生産量」の割合や、日本への輸入品目の国別割合の
問題は、地下資源の問題と並び入試で、円グラフや帯グラフの形でほんとによ
く出る。よく出るなら、覚えればよい。

 小麦をネットで調べてみますと、「小麦粉は、用途にあわせて、強力粉(パ
ン、ギョウザ、中華めん、ピザなど)、中力粉(うどん、料理など)、薄力粉
(ケーキ、菓子、天ぷら、料理など)などに使われる」と書いてあります。

 この小麦の自給率は10%以下(ちなみにその少ない国内生産の約半分は北海
道。十勝平野ですね)、90%以上を外国からの輸入に頼っている。

 さて問題。

1. 中国・インド・インドネシア・バングラデシュ・ベトナム
2. 中国・インド・アメリカ合衆国・フランス・ロシア
3. インド・中国・スリランカ・ケニア・トルコ

4. アメリカ合衆国・フランス・オーストラリア・カナダ・アルゼンチン
5. アメリカ合衆国・フランス・アルゼンチン・中国・ハンガリー

 1から5はすべて農産物です。1〜3は世界における「生産量」上位5カ国を、4
と5はある農産物の「輸出額」の上位5カ国を表しています。さて、それぞれ何
の農産物でしょうか?

 これが「1番目の問い」とします。農産物とあるだけで他ヒントはありませ
ん。しかし、この設問だけで答える能力が、実力の正体でしょう。そしてこれ
を磨けよ、そして分析して暗記せよ、と言いたい。

 実際は円グラフや帯グラフになっており、割合のパーセンテージも明記され
ています。統計年度によって若干の順位の変化もあります。また公立入試とな
ると通常、もう1点か2点、甘いことにヒントが確実にあり、易しく作られてい
るのが普通です。これが「2番目の問い」の形です。それでもできない者はでき
ない。いや、できない生徒が非常に多い。

 さて、答えに至る解説をしてみます。
 まず1〜3の、世界における「生産量」上位5カ国の農産物ですが、問題以前の
常識として知っておかねばならないのは、日本であるまいし、ほうれんそうや
トマトなどが問題になるはずはない、ということ。頭に浮かべるべきものは、
米や小麦、とうもろこしや大豆、茶、などです。この基本の感覚が大丈夫か?

 1〜3でまず簡単(?)なのは、3番です。スリランカが載っています。スリ
ランカが載っているグラフは文句なく、迷うことなく、「茶」ですね。インド
のアッサム茶(アッサム地方)は有名。昔から何十年も順位が変わることない
このグラフは、ほんとに不思議なくらいです。まさに古典的な問題といえるで
しょうし、最近では傾向が変わりほんのたまにしか出題はされませんが、でも
覚えておくべき基本です。

 次に1と2。どちらも中国が1位で、2位がインド。人口の多い順である。これ
だけではわかりませんが、3位から5位をみればわかる。1の問題のほうは、イ
ンドネシア・バングラデシュ・ベトナムですものね。つまり、すべてアジアの
国々が占めている。インドネシアの人口も2億人を超えていて、非常に人口が
多い国です。しかもあまり馴染みがないでしょうが、バングラデシュも1億500
0万近くの人口を持つ国です。アジアで人口が多い国で食べられている農産物、
「米」ということがわかります。

 残るは3番。中国が1位で、2位がインド、3位からアメリカ合衆国・フランス
・ロシアとなり、欧米の諸国が来る農産物。フランスはヨーロッパ1の農業国
で、小麦の輸出国でもある。アメリカの春小麦・冬小麦地帯、ロシアの黒土
地帯なども小麦の代表的な産地です。これらの個々の知識と関連づけておくこ
とももちろんですが、実は中国・インドも小麦の生産は人口からいってもとて
も多いのだ、という知識の確認と整理をしておきたい。答えは「小麦」。

 4と5は農産物の「輸出額」の上位5カ国を示している。離れましたので再度
下に書きますね。

4. アメリカ合衆国・フランス・オーストラリア・カナダ・アルゼンチン
5. アメリカ合衆国・フランス・アルゼンチン・中国・ハンガリー

 うーん、農産物の輸出額。1〜3より難しいかな? 
 4番ですが、2位から5位までフランス・オーストラリア・カナダ・アルゼン
チン、個々の単元知識で言えば、2位のフランスで上にも書きましたが小麦の
輸出が浮かばねばならない。さらに3位のオーストラリアと4位のカナダは日本
へも小麦を輸出している。5位のアルゼンチンも、ヨーロッパへの小麦ととう
もろこしの輸出は押さえておくべき知識です。つまり、4番も「小麦」になり
ます。

 最後の5番の問題。これが一番難しい。いえ、正確にいうと、1〜4番は基本
なんです。生徒にとっては基本どころか、ヒントなしでは相当難しいのですが、
本当に難しいのは、この5番だけ。そういうレベルの勉強を、この問題集で是非
習得して欲しいと思います。5位に旧東欧のハンガリーが入っていますが、こ
れは統計年度によって変わるから、あまり記憶しても当てにはできない。

 大豆の場合、「ブラジル」が入る。詳しく書けば、アメリカ、ブラジル、中
国、アルゼンチンが主なる産地です。日本への農産物輸入品目で、アメリカに
次いでブラジルがあれば、それは間違いなく「大豆」です。さて戻って、5番。
これは他のヒントがなければとてもわからない問題だと言っておきます。実力
的(?)な正解の出し方は、上でも書いたようにアルゼンチンは、小麦と「と
うもろこし」の輸出国、そしてここにブラジルが載っていないのだから、答え
は「とうもろこし」となるのですが、さて理解できただろうか?・・・。

 あとですね、小麦に関してのグラフで覚えておかねばならないのは、小麦の
日本の輸入相手国です。アメリカ・カナダ・オーストラリアの順で、この3カ
国でほぼすべてを占めます。上の5つの問題と、小麦に関しては特に、輸入相
手国と世界の生産国と世界の輸出国の3つのタイプを整理整頓して、判別でき
るよう記憶しておくことが必要です。

 掘り下げておくとは、こういうことです。よくですね、社会は暗記科目だ、
3年生の後半から追い込んでも間に合う科目だと言われていますが、それはあ
る面では正しく、またある面では大きく違いますね。単発の知識とそれへの
問題には対応できても、暗記した諸知識を運用する問題には非常に弱いとい
うこと、また上記のような知識の習得は、日々のなかで時間をかけ、また考
え、コツコツ積み重ねてこそできるものであって、小手先の表面的な暗記で
はとても吸収しえるものではありません。

 自分で再度まとめて、どう暗記すればいいか、何をポイントに深く覚えれ
ばいいか考え、問題見れば頭に瞬時に浮かぶまで追求、暗記してみてくださ
い。