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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§253中3学習の進め方についてVOL.3new
<真ん中のゾーンよりやや上の生徒・・・>

 前回のVOL.2では、「公立トップ高受験を目指している生徒」を想定して、「中3のお勧めの問題集やしておかねばならない問題集、またその勉強スケジュール」に関して述べました。

 今回は“学力”が真ん中のゾーンよりやや上の生徒、偏差値でいえば60(から65)ぐらいを想定して、また違う角度から書いてみます。

 ――えっ、それならかなり上位ではないの?と、思われる方も多いでしょう。たしかに、たしかに。塾で観た場合、このあたりにいる生徒は、癖があまりないといいますか、言われたことはほぼ忠実に守りますし、勉強の作業も雑にならずていねいで、授業態度も集中して真面目、宿題もきっちりやってくるのが一般的な印象でしょうか。

 しかし、目線を高校に向け大学入試までの段階を考えれば、そしてまた公立中学の枠内にとらわれず全体を俯瞰すれば、つまり、私立中高一貫校や公立中高一貫校、また国立中学に進んでいる生徒も含めて見渡せば、これは都市圏と地方によってその環境の差はあるので一概にいえないにしても、昔に較べいまの時代、見事なまでにすっぽり成績上位の生徒が抜けているわけです。公立主体の学力評価テストでの偏差値(大抵はこれです)は、あくまでひとつの指標であり、その年代全体の学力の位置を示しているのではない、ということです。このことをよくご存知の方もおられるでしょうが、平常はそのようなことはすっかり除外して考えているか・・・に思われます。わたしなんかもそうです。

 それをいま除外しないとすると、偏差値はふつう、下限28ぐらいから上限75ぐらいまでの範囲で斂まるとすれば、上にあと10をたした上限85(実際には80を超えることなんてまずないわけですが、ここでは便宜的に)、つまり28から85の範囲で捉えて考えるのが妥当といえなくもありません。そうすると、偏差値の60(から65)ぐらいの生徒の“学力”は、その年代全体の学力の位置を示した場合、真ん中のゾーンよりやや上にすぎない、と醒めた認識もできるわけです。

 学力を判断する目安となる偏差値は、たとえば58の上は60、その上は63や65が続くように一見なだらかなカーブを描いているように感じます。が、実は傾斜角60度を超えるような急激な坂道みたいなもので、同年代全体の学力をもし測ることができるとすれば、通常の学力テストで表出されている偏差値の60から65の実相は、ふだん捉えている感覚ほどそう高い位置にはないということなのです。

 この視点にもし立つと、いや立てば、いままでの不備な学習のあらゆる局面と問題点が、そこそこ見据えることは可能で、さらに先のことまで曲りなりに想像はできることになります。

 さて、中3になって、成績が上がるのだろうか?―― 
 この問いはいささか愚かであります。なにも新たに手を打たず、これまでとなんら変わることなく勉強していけば、下がることはあっても上がることはまずありえません。いままでの成績がもし維持できれば、それはむしろよくやっているといえるでしょうか。

 このあたりにいる生徒は、最初に書きましたように、言われたことは守ってするでしょうし、授業もそつなくまた宿題もきっちりやっていくでしょうから、たとえば定期テストでは、中2のそれと同じような点数がとれるかもしれません。しかし、2学期ともなると、順次平均点も自分がとる総合点も下がってくるのが中3という学年のテストの内容というもので、これは特に数学と英語にいえることですが、全体と同調して下がらないようにするためには、とうぜんいままで以上に時間をかけ、よく理解と演習を積むことが必要となります。このことはまず、じゅうぶんにわきまえていてほしい。

 問題は、それよりも実力である。

 ここでは「いままでの実力」と「入試へ向けた実力」に、わけて捉えてみます。言われたことはよく守ってするが、それを超えた、あるいは外れた、余分な自分の勉強が、まずない。学校や塾で与えられた課題はこなすが、それで満足しているというか、じゅうぶん勉強をしたという意識があるようにみえる。

 実はもっと自分で付け足してやらねばならぬ、具体的で細かな勉強が個々にあるのだけど、それが見えないのか、やり方がまだわかっていないのか、主体的に動く姿にどうも乏しいのである。つまり、実力のつけ方の勉強の作業が、軽いのである。

 これが「実力」の「いままでの実力」を形作っている。よって、中3はじめの実力テスト――1,2年の学習内容の‘基本’がちゃんと身についているかどうかを単に確認するだけのテスト――で、たとえば数学74点(91点)、英語72点(89点)、国語65点(82点)、理科55点(83点)、社会48点(85点)、計314点(計430点)<注:( )内はこれまでの定期テストで、ある程度とってきた点数とする>なんて点数を、このゾーンにいる下位の生徒は平気でとってしまうだろう。ましな生徒で合計360点ぐらいはとれるだろうが、それでも定期テストの点数と、まだ初期段階でしかない実力テストの点数との乖離は大きい。

 数・英の‘基本’の知識ですら、実は思ったほどには身についていないのである。国語もどうしたらいいものかといつまでも悩んでいても事は進まない。それにまた、理科と社会の実力ときたら、どうだっ!? 2年間勉強してきた、そしておそらく塾でもよぶんに学習してきた、5科目の力はいったいどうなっているんだ? 5科目とは、数学と英語と国語と理科と社会である。こんなことはわかりきっているいるが、それでも書いておく。

 そのひとつひとつの科目をどのように大切にして勉強してきたのか? 一度学んだことは、単にその場の理解に留まらず深く覚え、またほぼ忘れることなく頭に整理し、しまっておくことがそれほど難しいことなのか? ひとつの教科が苦手である、ふたつの教科が少しまだ基本の力が足りない、ならなんとかまだわかる。上の点数はそうではないだろう。逆に、なんの科目が得意なのか、なんの科目がきちっと基本がすべて入っているのか、教えてくれ〜〜〜〜〜〜いっ!!

 中3になって頑張って、さらに成績を上げたい? それはよくわかる。しかし、どこから上げるのだろう? 自分の学力の、どの基準から上げるつもりなのか?・・・。この基準は自分で、いままでの実力テストや塾の学力テストである程度掴んでいるだろう。たとえば上で述べたテストでいえば、400点ぐらいを自分の持っている力、つまり基準値と思い込んで、そこから上げるのを想像していたとすれば、またしている生徒が多いのだが、それは大きな勘違いであろう。

 400点を420点にするためには、まずもって、314点というひどく目減りした自分の実力の点数を直視し、しっかり認識し、いかに勉強をしたら400点にまで持ち上げることができるか、その間にある、自分の不備な学力の補強に懸命に努めていくのが先決であろう。これができずして、もうひとつの「入試へ向けた実力」なんて、まともに身につくはずはありません。

(上記の点数はあくまで一般的で、よくあるひとつの姿として述べています。手前味噌でなんの役にも立たないことを書きますが わたしが教えれば、またわたしが作った問題集で勉強すれば、こんなひどいことにはならない。ひどいのは、そしてひどくなろうとしているのは、その途中で懸命に押さえ込み、排除しつつ勉強を進めていますからです。それでもこのゾーンにいる生徒(それも下位にいる偏差値60ぐらいの生徒の場合ですが)で、定期テストと初期の実力テストの間には、上記の例でいえば430点なら380点と、50点の差はあるものです。)

 さらにもう一点、指摘しておきたい。それは、過去2年間の力がもしこの状況なら、中3の1年間もおよそは察しがつくかと思います。この点についてはもうくどくどとは書きません。人間、嫌なことはひとつは我慢して聞くことはできても、続けてふたつも聞くほど寛容ではありません。立派な人格がいまだに持てていないわたしがいうことですから、それはほんとうです。もうひとつとなるとたいてい、耳を塞いで聴いてはおりませんものね。

 何をすべきかは書きました。では、いつから始めるべきか。3年生になって、1回目の実力テストがあって、それが返されてきてからやっと気づく4月中旬以降なのか、気づいてもまた具体的な行動をなんらとることなくずるずると1学期が過ぎてしまったあとのなのか、それとも気づいた(?)今からなのか、生徒それぞれ自分で考えることです。それも「いままでの実力」が足りないと、はっきり自覚できる生徒だけができるんでしょうが。

 最後にもう一度書きます。言われたことはほぼ忠実に守り、勉強の作業も雑にならずていねいで、授業態度も集中して真面目にやる、宿題もほぼこなす。まずこれが第一関門なんでしょうが、それはまあここではできるとして、しかしこれでは形ばかりで、その中身までは実のところわからないものです。問題はその中身の勉強のしかたと量です。質を問うのは応用でいい。とくに「基本の実力」をつける勉強には、まだもっと自分で追求していく作業が、要領や効率とは関係ない泥くさくやっていくべき基本があるでしょう。それを顧みて、自分で再度身につけ直すところから始めることです。