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§610 実力テストになるとなぜ点数が下がるのか?
<海馬をダマす>

 わたしがHP上に載せている「中学生の学習のしかた」のページのなかで、もっとも多く読まれているのは、どうやら「定期テストの点と実力テストの点 <定期テストの点と実力テストの点がなぜかくも違うのか?>」というブログである。もう1年じゅう毎日読まれているようだ。

 この話題は、公立中学生が勉強していくなかでほぼ必ずといっていいほどぶつかる普遍的な課題で、またその核心部分に位置する問題点のひとつ、といっていいかもしれない。

 範囲の狭い、それも出題内容もほぼわかっている定期テストと、1年あるいは2年あまりもの範囲の広い、出題内容がどこが出るかわかりにくい実力テストとの点数の落差あるいは乖離は、わたしなんかからすると当然の結果に見えるのだけど、これを引き起こす原因については案外よくわかっていないなと感じられること多く、今回は別の視点から書いてみることにする。

 つまりは、ひと言でいうと、脳の仕組みにある。このへんの事情はすでにご存じの方もおられるかと思いますが、わたしも含め脳に刻まれている記憶というものは、もともと曖昧でファジーな要素があるもので、ここにあらためて書いてみることにします。(もちろん専門家ではないので、あまりに専門的なことは述べられませんが、大意掴んたことを中心に)

 人の脳には大きく別けて2種類の記憶、短期記憶と長期記憶がある。しばらくすると忘れてしまう短期記憶。これは反復しない限り、2,30秒から長くて1分で消えてしまう。長期記憶は、基本的に忘れない。その保管場所は、側頭葉などの大脳皮質で、覚えた知識が蓄えられるところ。

 この大脳皮質で長期保管された知識がどのくらいあるのか、それが生徒にとって、いわゆる実力の正体といえる。
 
 さて、見たり聞いたり触ったりあるいは勉強して入ってきたすべての情報は、いったん脳の海馬という部位に保存される。

 この「海馬」で情報の取捨選択が行われる。これはずっと覚えておかなければならない記憶だと判断された情報のみが、大脳新皮質に送られる。その取捨選択の判断基準は、「重要か、重要でないか」である。強烈な印象があるものは「重要なもの」として大脳皮質へ、しかし印象がそれほどないものは、「重要でないもの」として消される。

 必要な情報と必要でない情報を仕分けるこの海馬の権限は、実に強大で重い。長期記憶となる資格を与えるかどうかの審査は厳しいのだ。しかもこの審査期間は最低1カ月ほどはかかり、例外はあるにしても、まず1回で合格、審査通過するなんてことはないらしい。

 では、どんな情報が海馬を通過できるのか、その判定基準は、ある本によると「生きていくために不可欠かどうか」にあるということ。

 うん、なんだこれは? ということは、台所のスペルはキッチンで英語で書くとkitchenであるとか、インドネシアの人口は約2.5億人であるとか、平治の乱は1159年であるとか、炭酸水素ナトリウムを加熱すると、炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素に分解されるとか、多角形の外角の和は360度であるとか、中学生にとっては必要な情報なのに、勉強して覚えなければならない知識のほぼすべてが、海馬が「生きていくために不可欠かどうか」で判断するものだから、必要ないものとして、もっといえばどうでもいい、とるに足らぬものとして、まったく通してくれないのです。これでは短期記憶のまま消されて、すぐ忘れてしまう。海馬は、脳に入ってくるあらゆる情報と分け隔てなく、勉強に関する知識(経験知識も一部あるけれど、ほとんどが知識記憶)も情け容赦なく、絶えず消去を行っている。
 
 脳は「生きていくために不可欠な情報」でないかぎり、基本的にまず「覚えない」ことがふつうなのだ。これは「人間は忘れる生き物なので、すぐに忘れてしまうのです。」という表現より、はるかに頭にするどく突き刺さり説得力があると思うが、どうでしょうか。

 一度はどこかで見たり教わったかと思いますが、かの有名な記憶に関する実験結果を示す「エビングハウスの忘却曲線」〜(20後に42%、1時間後に56%、1日後で74%、1週間後77%、1ケ月後79%が忘れてしまう)〜が、どういう理由でそうなるのか、いま一歩はっきりしてきたかと思います。

 脳は「生きていくために不可欠な情報でないかぎり、基本的にまず覚えない」ことを、そして「海馬の厳しい審査で通過したものしか長期記憶にならない、つまりそれが勉強での実力」であることを、しっかりと正しく受けて止めて、自分の勉強に対する姿勢とやり方をもう一度点検し考えてもらうキッカケにもなればと、今回書いている。

 では、生きていくためにどうしても必要とはいえない学校で習う知識を、海馬で必要として認めてもらい、覚えたことが長期記憶になるためには、いったいどうしたらいいのか?

 この方法は、いろんなところでほぼ同じようなことが書かれいるのですが、ある本の指摘が一番ぴったり馴染むので、その部分のポイントをかなり拝借して、ここに載せさせてもらいたいと思います。

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 方法は一つしかありません。海馬を‘ダマす’ことです。とはいっても、こ
の仕分け人に、賄賂を使ったり泣きついたりして揺さぶりをかけても、いっさ
い動じません。海馬に必要だと認めてもらうには、できるだけ情熱を込めて、
ひたすら誠実に何度も何度も繰り返し情報を送り続けるしかないのです。する
と海馬は、「そんなにしつこくやって来るのだから必要な情報に違いない」と
勘違いして、ついに大脳皮質に情報を通過させるのです。
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 そして、こうも書いています。学習したことを忘れてしまっても、いちいち落ち込むな、もう一度覚えなおせばいい、と。そうして覚えたことをまた忘れてしまっても、へこたれずまた覚えなせ、と。何度もなんどもくり返し覚え直しているうちに、脳はその知識を記憶に留めるようになる、と。

 そしてさらに書いている。そうしてやっと覚えた知識、苦労して覚えた知識を、また忘れてしまったら、どうするか? 答えは、同じ。また覚え直せばいい、と。脳は、できるだけ早く忘れるように設計されているのだから。成績のいい生徒は、忘れても忘れてもめげずに、懲りずに、海馬に繰り返し情報を送
り続けている努力家だ、と。

 うーん、なんとすばらしい表現なんだろう。なんだか自信と勇気を与えてくれるようで。そして同時に、自分の勉強にこれだけの努力をしているか?と、ぐいと楔を打つように反省させられる点が多々あるかもしれない。

 さて、海馬に情報が留まっている期間は、情報の種類によって多少違うもののおよそ1カ月。正確にはその状態を中期記憶というようですが、この海馬で1カ月かけて整理整頓をし、何がほんとうに必要な情報であるかを審査・選別している。

 それゆえ、この1か月の期間のなかで如何に忘れないよう復習するか、反復を繰り返すかが、学習の最大のポイントになる。

 何度も書きます。この1か月のあいだに、忘れないように反復を繰り返すこと! そうすれば、海馬は1か月のあいだにこんなにしつこく繰り返すのだから、おそらくこの情報は大切であると勘違いし、大脳皮質へ「本物の長期記憶」として送り込んで保管してくれるのです。

 逆にいえば、海馬にある情報は、反復の復習がなければ、1か月以内に消えてなくなるとても不安定な状態にあるといえる。それゆえ、もし1か月以上あけて復習した場合なんぞは、なんだそれは?!・・・と、海馬にとって、初めて習ったときと同じ受け取られ方をされてしまうのだ。

 定期テストではできても実力テストになるとガクンと点数が落ちる生徒は、このあたりのミスマッチがあるといえる。1か月以内のなかでの反復の復習が足りなければ、習った知識はとうぜん「本物の長期記憶」にならないのだから、実力テストの点数が下がるのは、いたく当然の話である。

 あともうひとつ、「できるだけ早く復習することが、なぜ大切なのか」という点を理解しておきたい。

 上記忘却曲線で「20後に42%、1時間後に56%、1日後で74%、1週間後77%、1ケ月後79%」もの割合で学習したこと忘れてしまう、と載せました。

 勉強した直後から半分は忘れるんだから、1日後の74%も1週間後の77%も一わかるとして、しかし、でも率にしてみればあまり変わらないじゃないか、と思われるかもしれない。

 ところが、このふたつの実相は、大きく異なるんですね。「忘れてしまった」というのには、思い出すことがまだできる状態の忘却と、完全に忘れ思い出せなくなった忘却の2種類が、実はあるわけです。

 1日後の忘却は、忘れてしまったという感覚があっても、それはたんに思い出せなくなっているだけで、脳から消されてしまったのではなく、まだじゅうぶん無意識の世界に残っいる。それだからこそ、復習すれば、学んだ知識が短時間でよみがえるのです。この2度目の学習は、はじめの学習より記憶力(この場合、記憶する割合)がアップするのです。

 それに対し、1週間後の忘却では、記憶の鮮明さに欠け、復習をしてもところどころ記憶は完全に消されている。それがため、はじめて記憶したときとほぼ同じ時間がかかるのです。復習は、できるだけ早くしなければならない意味が、これでわかるはずです。

 勉強は、何度も繰り返すことで海馬に認めてもらい長期記憶になる、そしてできるだけ早く復習をしなければならない。

 潜在的な記憶には、賞味期限がある。それはしつこく繰り返して書いているが、およそ1か月。このことと、定期テストでは点数がいいのに「実力テストになるとなぜ点数が下がるのか?」の関係が、どうもありそうですね。

 定期テスト前に即席で詰め込んで覚えたものは、テストのなかなら、なんとか思い出せることも多々あるでしょう。しかしそうした知識は、その後数週間も経たずに忘れてしまいます。あるいは、理解しわかったつもりでも、ほんとうには深く理解できていなかった問題や演習不足がある問題なども、同様に消えてしまいます。

 これらは記憶がまだ海馬内に留まって、整理整頓されずに、長期記憶の保管場所である大脳皮質に送り込まれない、そういう勉強をおそらくしていることを示しているといえるでしょうか。

 次回、これと関連したことをもうすこし書いてみることにします。


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