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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§129 teach oneself
<学びかたを学ぶ>

 入試英語の長文の一部から、今回学びかたについて少し述べてみたいと思います。

 下の英文は私立超難関校の入試英文の一部で、古くてまた比較的有名な英文なので影響はないと思いあえて出してみました。英語の得意な方は先に訳してみてください。さらっと読んで、なんのこっちゃさっぱりわからん、と頭の痛い方は、∞∞∞線以下(そして以上)の部分をすっ飛ばして、それ以下を読んでください。

 We go to school to learn how to learn, so that, when we have left school, we can continue to learn. A man who really knows how to learn will always succeed, because when he has to do something new which he has never had to do before, he will teach himself how to do it in the
best way.

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 単語としては、難しいのはまったくありません。continue が「続ける」という意味で中学では習いませんが。習いませんがというのはむしろこの場合、文法ですね。高校英語のレベルに軽く入っています。細かい部分をいえば長くなるので大きなところで少し、ご参考に英文解釈をしてみますね。

 この英文は2文で成り立っています。ピリオドでわかりますが。まず最初の文は、
 We go to school to learn how to learn, so that, when we have left school, we can continue to learn.ですね。

 まずは直訳で、わたしたちは学び方を学ぶために学校に行く。このあと、, so that, when we have left school, we can continue to learn.の部分。, so thatは前の文を訳し、続けて「そのため・それゆえ」という意味があるのですが、この場合はそれではなく、so that・・・can 〜 「〜することができるために・できるように<目的>」の構文です。中学の習う、so ---that 主語+can 〜/can't〜「とても---なので〜できる/できない」の構文とは違います。

 つまりこの文の場合、, when we have left school,が挿入されているのです(倒置と考えてもいいですが)。わたしたちが学校を卒業したとき。すんなりした英文は、so that we can continue to learn.で、わたしたちが学び続けることができるように、という意味。

 つないで少し自然な訳にすると、「わたしたちは学校を卒業してからも学び続けることができるように、学び方を学ぶために学校に通っているのだ」となります。

 次の文。
 A man who really knows how to learn will always succeed, because when he has to do something new which he has never had to do before, he will teach himself how to do it in the best way.

 こちらの文は長いが前の英文よりはまだその構造がつかみやすい。主節はA man からsucceed まで、,because 以下が理由を表す従属節。he がたくさん出てくるが、最初のa man を指す代名詞であることはすぐわかる。では、部分訳から。

 A man who really knows how to learn will always succeed の主部は、A manwho really knows how to learn で、主語はA man であることは中学英語の部類。学び方をほんとうに知っている者はいつも成功するだろう。

 次にbecause 以下の従属節について。この中でもさらにwhen 以下before までの従属節に対し、主節がhe will 以下最後までという構造になっていることを掴む。when he has to do something new which he has never had to do before の訳。which he has never had to do before の関係代名詞節が先行詞のsomething new を修飾する形で、which は目的格。something new は
something 形容詞の語法でこれは中学レベル、意味は何か新しいもの、ですね。

 has to do はしなければならない、はわかるとして、あとのhas never had to do before の訳。現在完了形の経験用法(never が入っている)でhas never had、それを含んだhad to do のhad to は何か。これはhave to がもとの形でしょう。直訳としては、以前に一度もしなければならいことがなかった何か新しいことをしなければならない時、となります。
 
 最後の、he will teach himself how to do it in the best way.これは二重目的語の形。S+V+O(人)+O(もの).人はhimself で、ものにあたる部分がhow to do it in the best way 。teach himself をちょっと解釈するけど、自分自身に教えるとは、自分で学ぶとなりますね。teach oneself の熟語の意味は独学する、であるんだけど。how to do it in the best way は、一番よい方法でそれをする方法。ではまとめると、人はそれを最もよい方法でするやり方を自分で学ぶだろう、になる。

 後半の文全体の訳は、「学び方をほんとうに知っている者はいつも成功する。なぜなら、それまで一度もする必要がなかった何か新しいことをしなければならない状況になった時、それを最も良い方法でこなすやり方を自分で学ぶからである」となります。
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 <全体の文をまとめての訳>
「わたしたちは学校を卒業してからも学び続けることができるように、学び方を学ぶために学校に通っているのだ。学び方をほんとうに知っている者はいつも成功する。なぜなら、それまで一度もする必要がなかった何か新しいことをしなければならない状況になった時、それを最も良い方法でこなすやり方を自分で学べるからである」

 くどくなくもう少しスリムに訳を完成することができますが、英文から離れていくので、また意訳しすぎると文法が見えにくくなるのでこのままにします。 たかだか5行程度の英文に解釈を加えるとこれほど長くなってしまいましたが、入試本番ではこの程度の英文なら1分前後で意味を読み取る力がなくてはとても受験云々はいえませんね。

 さて、なぜ今回この英文を出したかといえば、上の解釈よりその内容、主張にあります。筆者は欧米の誰だか知りませんが、ふっと立ちどまって考えさせられるものがあります。人それぞれによって受け取り方は違うでしょうが、わたしの場合、「学び方をほんとうに知っている者はいつも成功する」という、筆者の単純明快でかつ太っぽいな論理の主張には今ひとつ頭を捻りますが、それ以外の部分には多いに頷くものがあるんですね。

「わたしたちは学校を卒業してからも学び続けることができるように、学び方を学ぶために学校に通っているのだ」

 この日本文の解釈はもちろんいらないわけですが、それにしてもわたしたちがわかってるようでわかっていない、またこのような明快な主張を教育にたずさわる者から一度たりとも耳にしたことがない、特に昨今の日本の教育行政とその理念なき指導方針は一体どこへ向かおうとしているのかと、柄にもなく話が飛躍しますがいいたくもなります。

 学び方を学ぶために学校に通っているのだ、という主張は、学ぶ内容を学ぶためだけに学校や塾に行っている現実の多くの姿と較べるまでもなく大きく乖離しているわけですが、そして学び方を学ぶのは学校だけでももちろんないわけですが、それでも勉強していく上での、一つの示唆を我々に与えてくれます。

 それは、学校を卒業してからも学び続けることができるように、という目的過程のための必要条件ですが、学び方をほんとうに知った者は、それまで必要がなかった何か新しいことをしなければならない状況になった時、またはもっと深刻な八方塞の状況に陥ってそれを打開するときに、最も良い方法でこなすやり方と、その場に応じて自分で見つけいく力を獲得するのでしょう。

 が、しかし、学び方をほんとうに知っていないのか、知ろうとしてもどこか脇が甘い(?)のか、はたまたこの主張通りには人生真っ直ぐ進む道なんてないのだよ、くねくね曲がってその都度あたふたするものだよ、という内心の声にも耳を傾けると、そうすっきりとは納得しかねる面もあるんですが。

 されどまあ、teach oneself(独学する/自分で学ぶ)は、わたしがこのようなところで意見を吐く以前に、あらゆるところであらゆる人によって為されたきたことを想うと、とてもとてもえらそうなことはまだいえたものではありません。