高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§436 <中1学習の重さの判断と展望>
<5教科の重さを数値化すると>

 今回は中1生対象の内容となります。あるお母様からのご質問に沿った形といいますか、公立トップ高受験に向けた勉強のしかた、及び今後の大まかな進め方、そのなかでとくに注意すべき点があればということで、すこしアドバイスを書いてみます。

 質問を受けた生徒の場合、学校の成績は国語は80点台前半ながらも他は90点以上で、総合450点台という点数。評価もすべて、5をもらっている。また、部活のほうがとても忙しく塾はいま通ってはいないが、2年あるいは3年になってまた考えたいとのこと。

 さて、ここからある程度一般化して書いてみます。

 成績の見方及び捉え方については、下記のページですでにかなり詳しく述べています。

・「5科目の成績をみる目について VOL.1<5段階評価の成績表>」
  http://www.e-juku1st.com/gakusyuindex/gaki168.htm
・「5科目の成績をみる目について VOL.2<学力の実相を見誤らない>」
  http://www.e-juku1st.com/gakusyuindex/gaki169.htm

 しかし今回、同じような内容ではこれをお読みいただいている方はもちろん、わたし自身もおもしろくありませんから、まったく別の切り口、それも他では絶対見聞したしたことがない観点で、5教科の学力の有様と重さを評価、分析してみることにします。

 どういうことかいうと、人は大体、いまとすこし先のことまでならある程度わかって行動しているでしょうが、その結論は知りません。ここでいう結論とは、この生徒の場合、いまは中1のそれも1学期が過ぎた段階なわけですが、中3の2学期も後半、内申もほぼ固まり、ほんとうの実力もほぼ決まり、見えてきた段階、あるいはもうすこし先の志望校合格の確率も7,80%出てきた段階といってもいいですが、それをもし俯瞰して全体を予め認識しておくことができるのなら、いまの問題点や課題が、そして先への備えに対してのすべき行動がより見えてくるかと思います。

 つまり、「公立トップ高受験に向けた勉強のしかた、及び今後の大まかな進め方、そのなかでとくに注意すべき点があれば」という質問にたいする、ひとつの大きな回答になるかと考えます。

 2学期制もたくさんあるでしょうがここでは3学期制で、中学3年間の各科目の重さを、あえて数値化してみることにしました。これが特異でユニークな(?)ところです。下の( )の数値をよくみてください。

 重さってなんですか、ということですが、学力、知識の総量とでもいえばいいでしょうか。それも、学校で習う知識の総量ではなく、入試で問われる学力の総量を指しています。もちろん長年の経験とそこからつかんだわたしなりの知識と確信(?)に基づいていますが、たぶんに感覚的、直感的なものです。よって実証的根拠を示せと言われれば困りますが、8,9割は自信をもって言えますので、個々と全体の学力を捉えるひとつの尺度、そして学習の進め方のヒントになればと思っています。

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<数学>中1-(1)(1)(1),中2-(2)(2)(3),中3-(3)(4)(4)=21
    21+【9】=30

<英語>中1-(1)(2)(2),中2-(2)(2)(2),中3-(3)(3)(3)=20
    20+【8】=28

<理科>中1-(2)(2)(2),中2-(2)(2)(2),中3-(2)(2)(2)=18
    18+【0】=18

<社会>中1-(2)(2)(2),中2-(2)(2)(2),中3-(2)(2)(2)=18
    18+【0】=18

<国語>中1-5, 中2-5, 中3-5=15  15+【15】=30
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 合計は124となりました。中1の1学期の5科目合計は、国語が年間で5としているのでここでは1としますが、その合計はなんと7しかありません。中1で1の学力をつけるのに対し、たとえば中3で3の学力をつけるのでは、中3で3倍の勉強時間やその努力が要るのかといえば、そうではありません。なかにはそのような内容もありますが、中1の1の学力を身につけるのに、具体的には数・英ですが実際は相当な時間と演習がかかります。

 しかし、3年間全体で瞰れば、入試に必要な学力の、数学でいえば30分の1、英語でいえば28分の1にまだすぎないということです。これは何か不可解で釈然としない印象を持たれるかもしれませんが、結論から見た学力では、まだその程度なものなんです。ですから、450点であろうとそれ以上もっと取れていても、ひとまずは善しにしても、ゆめゆめ油断しないことが大切でしょうし、学力の見極めはもっと先にあることを意識しておくことがいいかと思います。

 ここから各科目について。

 ただし、勉強のしかたや進め方の具体的方策やアドバイスはいままでに、すくなくとも100以上書いています。ですから、指摘し、その課題や問題となる点を各自のなかで考えてもらうことに今回の眼目があることをご承知おきください。

 まずは数学。
<数学>中1-(1)(1)(2),中2-(2)(2)(3),中3-(3)(3)(4)=21
    21+【9】=30

 【 】の印については上で説明していません。【9】は、いわゆる入試レベルの応用ですね。一部関数を含みますが、大半は平面及び空間図形の応用問題、それを解く学力です。ふつうに中3まで勉強して行けば、まずこの力は育たないというか、身につけることはできません。できません、と断言口調はいけませんが、非常にむつかしいでしょう。入試対策の勉強で、ある程度は埋めていくことができますが、それは結果、ある程度までにしかすぎないのが、98%以上の現実でしょう。

 これで偏差値66(ネット上の数値)くらいの公立トップ高なら合格するでしょうが、70をすこし超えた公立トップ高の場合は難しいといわねばなりません。やはり、【9】の応用をしっかりすべてこなす勉強が、どうしても欠かせません。

 それをどうするか? 難関の私立中高一貫校の場合は、中2の2学期の終わりには中3数学の課程はすべて完了する授業スピードなわけで、それと張りあえなんてことはとても言えませんが、あきらかにあまりにもゆるいスピードだということを知っておくべきでしょう。上の1年、2年、3年の学習内容の重さをしっかり見てもらえば、どういう学習のしかたと進め方が望まれるかは、自ずとわかってくるかと存じます。

 次に、英語。
<英語>中1-(1)(2)(2),中2-(2)(2)(2),中3-(3)(3)(3)=20
    20+【8】=28

 英語の出来不出来は、ひとえに2学期の(2)にかかっている。1学期の(1)は、たとえできていても信用ならん。1学期の(1)と2学期の(2)の合計(3)で、英語の勝負は決まる。だから、学校のちんたらした授業内容とそのスピードに浸ってのんびりするのではなく、多少の緊張感をもって早く2学期の(2)を勉強していけば? 

 ただし、これは、ある程度の確かな国語力がある生徒、まったく同じケアレスミスは基本的に3回以上はしない(べつに5回でもかまわないけれど、それ以上はちょっとダメですね。)、そして理屈抜きの暗記ができ、知識の整理整頓がつねに勉強の作業のなかでできる生徒が条件ですが。

 英語の【8】は入試長文に対する読解力ほかになりますが、それまでに文法力を中心とするたしかな英語力が身についていれば、豊富でていねいな長文対策の勉強のなかでじゅうぶんその力を吸収することができますね。

 理科と社会について。
<理科&社会>中1-(2)(2)(2),中2-(2)(2)(2),中3-(2)(2)
(2)=18  18+【0】=18

 理科と社会をいっしょに見るのは、すこし違うと思うのだけど、まあ細かい点は省くので、生徒の共通するところをみると、定期テストでいい点数がとれているのに実力テストとなると、ガクンと点数が下がってしまう傾向大なのが、この理科と社会の2科目。

 なぜか? これは詳しくHP上の理科と社会についてで説明していますが、要するに、分野別、単元別に並列に並んでいるので一度学習すればそれで終わり、個々の知識の集合体の学力が張り子のトラといえば言い過ぎながら、時間経過による忘却の穴があちこちに空いていて、きっちりした知識の定着と暗記ができていないことに拠る。

 一部例外があるにしても理科と社会は、小学校で習った知識を膨らませあるいは深めたものが中学の内容であるとすれば、各(2)の半分の(1)はすでに学習した結果、身について覚えていなければならない。それをリセットして、真っ白の(0)から(2)を学ぶ捉え方自体、そもそもおかしいのである。

 この辺に、実力テストとなるとガクンと点数が下がってしまう、そしてまた忘れてしまうという勉強のあり方の問題がありそうで、(1)から(2)を学ぶ生の場合は、学習を1年生、2年生と進めていってもそこそこ実力もつくかと想われますが、(0)から(2)を勉強していく生徒の場合は、定期テストでいい点数をとればいいと考えているようではまたおなじ結果が待ち構えているので、この中学では、相当に努力と時間をかけて勉強していくことが望まれるのではないですか? 

 最後に国語。
<国語>中1-5, 中2-5, 中3-5=15  15+【15】=30

 国語という教科は、そもそも数値化すること自体無理があるかと思いますが、こうして並べてみると、他の4教科と本質的にもはっきり違うことがわかりまね。

 1学期ごとに、(1)とか(3)とか学力が目に見える形で増えていくことはふつうあり得ないだろうし、年間のトータルで表してみましたが、それにしても国語力いうものは、読書ほか本人の持てる力を【15】としましたが、学校の授業や教科書以外で身につける力が半分を占めているように思います。

 すでに小学校の間に【15】までとはいかずともそれに近いものを、あるいはそれを形成する基礎の核となるものを身につけている生徒もいるものですが、逆に、そうではない生徒はいま、愕くほどいっぱいいます。

 はじめに例示した生徒の場合も、他の科目が90点以上にたいし国語が80点台前半というのは、少なからず危惧する材料ですし、【15】の力がどうもひ弱いと判断しえます。

 公立トップ高をねらう生徒の場合、最終、英・数・国はできて当たり前なんですから---ただし数学は要注意---、国語の偏差値が低いと話になりません。中3になって作為的に伸ばそうとしても、そうは問屋がおろしませんから、まだ国語力に不安がある生徒は、中1と中2のあいだにできるかぎり【15】の力を満たしてゆくというか、高めていく勉強をつねに心がけ、実践していくことが大事であると考えます。