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§8 数学について思うことVOL.6new
<中3数学の勉強の取り組み方>
中3の数学について、その勉強の取り組み方と指針について述べたいと思います。
中3の単元は次のとおりです。
1.多項式(式の展開・因数分解)2.平方根 3.2次方程式 4.2次関数
5.円 6.相似 7.図形の計量(3平方の定理・図形の計量)
すべての単元、入試と深く関連します。問題の質、量、レベル、中1,2 より高くなるのはご存知のとおりです。それに加え、学習期間が今までよりも短い。学校では3学期の2月まで中3課程の学習があるでしょうが、それでは当然私立の入試には間に合わない。遅くとも12月までに全単元の学習を済ませ、入試対策に備えねばならない。単純な切り方ですが、これでは実際、入試の基本問題はいいとしても、どこで中1,2の復習、中3の復習、そして入試の応用問題に対処していける時間があるのだろうか?
塾に通っていれば、その内容とスピードにしっかりついて行けばいいのですが、自分で勉強してる生徒の場合、勉強のしかた、進め方がまずいと、入試問題に触れて初めて自分の驚くほどの実力のなさと問題の難しさに気づく結果になる。しかし、たとえ塾に行っていても、基礎だけしか教えない塾や説明中心であまり演習を行わない塾、あるいは入試ノウハウや適切な指導ががあまりない塾は、同じことだ。また、生徒自体がこれまで狭い範囲の定期テスト中心の勉強だけをしてきた場合も同様だ。このようなことにならないために、どういう点に注意して勉強してゆけばいいのだろうか?
まず、「中3生がしければならない数学の学習の基本」を確認しておきます。
1. 中3課程の勉強です。
私立超難関高を目指すなら別ですが、あくまで公立高校受験が志望なら、
定期テストを決して疎かにいてはいけません。たまにあるんです、実力テ
ストや模試などではいい点をとって偏差値がかなり高いのに、定期テスト
ではどうもいまいち気が抜けてるのか、あるいは軽視しているのか実力ど
おりの点をとらない生徒が。内申点は、実力とはずれて比例していない、
ということを心に留めておくべきでしょう。定期テストは基礎の足固め、
最後までていねいにやることです。
2.中1・中2の復習です。
中1・2年の復習をしなければなりません。実際、2学期になって1学期
に習った因数分解(やや応用)ですら忘れる生徒が多くいます。ですから
中3の復習も必要になります。
3.入試対策です。
入試問題に慣れ、その傾向と対策にどれだけ時間と頭をつぎ込むことがで
きるか、また独特な問題形式と応用問題に自分の力をどれだけ高めていく
ことができるか、そしてそれら解法のポイントとコツを会得できるか、自
分が今まで培ってきた実力の上にこの数学能力を試されることになります。
こうして書くとなにやら複雑で面倒な勉強が待ち構えているように感じるでしょう。しかし現実的には、すべてが思うように完璧に進行できるものではありません。また各生徒、そんなに順調に成績が伸びてゆくわけでもないし、しなければならない全体をよく把握してるということでもありません。見ていてこちらが「ちょっとは焦ったら」と思うほどのんびりしている生徒もけっこういるのも事実です。
それはさておき、上で書いた3つのことを念頭において、計画性を持って中3の数学を進めていってもらいたいと思います。
他の4科目と違い数学の入試点は、余程の安定した実力と知識がない限り、思うような点はまずとれないものです。都道府県によって配点はまちまちです。普通科以外にも理数科(文理学科)、英語科、國際科などによっても配点は違うでしょう。が、ここでは仮に100点満点として、そのイメージを書いてみます。
ずばり80点をとれば、その生徒は極めて優秀です。公立トップ高に合格する力があるでしょう。75点でもまずまずかなと思います。(ただし、都道府県によって数学の難しさには差があります。ここでは入試数学のレベルがとても高い県を想定して書いています。また、他の教科は成績のよい生徒なら90点以上とりますから、あくまで数学に関してだけです。)
では、これは定期テストで90点以上とる生徒に当て嵌まることでしょうか?! わたしの経験則から申せば、その中の3割くらいに当て嵌まるという感じです。つまり、残りの7割は70点もとれない!という現実に、入試数学をやるとぶつかります。
話を平均にもどします。数学の平均点は大雑把な言い方ですが、45点前後ですね。ふだんの定期テストで70点から80点前後の生徒に当て嵌まる点数です(多少、厳しく見ていますが)。5,60点なら入試は30点ぐらいしかとれません。平常80点台の生徒なら、入試点は60点とれれば御の字でしょう。それほど数学の入試は、厳しい、甘くないということです。
あまりいい例ではありませんが、こういうケースがあります。
数学が苦手というか、向かないというか、でもふだんの成績はそれなりに努力して中3で60点からいいときで70点すこしの生徒(中1、中2の6,70点よりは値打ちがあります)。真面目に努力はしてるんだけど、また中3の学習課程を終え、私立入試対策もやり、そのノウハウ、解法も勉強し、重要な関数、図形も豊富に練習し、わからないところは詳しく教えられ、はたまた忘れたところは反復し、コツと急所を何度も叩き込まれたのに、いざ公立の「過去問」をした結果、100点満点で表現すると35点・・・。
平均点にも届かない、これは・・・。大体がですね、問1の計算中心の問題は、30点ほどはあるのです。ここで2問ほどミスをしたり、できなかったりすれば、24点前後ですか。そして問2から問4(or問5)の中の小問� 蔽�でもできる基礎的な導入問題)が、2つないし3つできて10点少々、合計は35点です。これはいったい何なんですか?! 中身の正体は、計算程度の問題しかできていないということです。それでは、いままで延々と教えてきた関数や図形の解法やノウハウがまったく反映されていない、どこかに胡散霧消した、ということです。本人も自信失うでしょうけど、教えてきた方としてもその数倍がっくりきます。しかし、それでも、最終的に点数のとり方のテクニックなども教え、どうにかこうにか平均点前後まで点数を押し上げ、カバーしますが。
こうした結果にならないためにも、つまり、平均点の45点から65点の間の20点(成績優秀な生徒は60点から75点の間の15点)を、如何にとるようにできるかを真剣に考えねばならない。ほんとに数学的才能に恵まれていて平気で、あるいはいかにも自然に85点以上とってしまう、超稀な生徒を対象にして説明してるのではありません。
この、あと20点or15点上げる道のりは、長い積み重ねであって、入試対策に入って、過去問を解いたからといって簡単に急に身につくものでもない。上で書きました「中3生がしければならない数学の学習の基本」の3つを行うなかに、実力を上げる源があるのであって、「日々の勉強の深さ」がものを言うのです。このアップしたい点数は、才能ではなく、努力が実力を上げる、その範疇の点ですから。
より高いゴールまでの、あと15点乃至20点をどう吸収するか、獲得するか、反復する形になりますが、最後にもう一度書きます。
基礎は省略(じゅうぶん説明しました)。応用です。
※関数と図形に力を入れること!
入試の配点の半分以上は、関数と図形の問題。大問4問とすれば、そのうち
2問が図形、あと1問が関数といった問題構成もあるくらい。それだけに、
徹底して関数、図形は他の単元の3倍以上は時間をかけ取り組むべし。問題
数も3倍以上はほしい。
※氷山の水面下の問題をできるだけ吸収すること!
中2の後半から中3の学習単元すべてに、応用問題があります。ごく一部の
生徒(進学塾の特進クラス在籍)にはそれが見えているでしょうが、たいて
いの生徒にはそれが見えていません。即ち、見えてる氷山しか見ていないの
です。その水面下に、どれだけ氷山の塊が大きくあるか習ったでしょう。そ
れと同じで、表面上のやさしい基本だけ解いていても、応用に繋がる実力は
まずつきません! その下に隠れている思考力を要する問題、解法にもノウ
ハウを要する問題に、ふだんから目を向け取り組んでください。
学力テストや入試で、自分にとって目新しいそして急に難しく感じる問題が
出て、その場で考えて解けることなど99%ありません。解けた生徒は過去に
同じ問題か類題をやり、その解法や考え方を当て嵌め活用した結果です。こ
の活用、応用する能力は、日頃の勉強のなかで磨いておかねばなりません。
その対象が水面下の問題です。
ただし、遣り出せば膨大な量があるので、途方にくれるかもしれません。量
は少な目でもいいですが、ゆっくり、深く粘り強く考える習慣をつけること
が大事です。「あれっ? これは前にやった問題と考え方が同じじゃないか!
表現や数値はまったく違うけれど、問われていることは同じじゃないか。こ
れを覚えておけばいいのか・・・」というところまできたら、本物ですね。
この知識は時間が経っても忘れない! 他に転用できる、即ち応用力。
※一度習った問題、公式は、体に押し込むこと!
数学は他の教科に較べ、暗記する量は遥かに少ない科目です。それでも現実
の生徒は、公式ですら平気でどんどん忘れることをご存知ですか? 暗記し
ていれば便利な公式、ややこしい問題を時短で処理できるスーパー公式など
も、一週間もすればいとも簡単に頭からほかしてしまう生徒の多いこと。
(これは平均的な生徒のことをいってるのではなく、内申4の生徒でもいますか
ら、注意)。公式ですらこの現状ですから、一般の問題、応用問題は推して
量るべしです。
その場限りの、その単元限りの知識は、実力とは縁もゆかりもない。頭の脳
細胞に乗っかってるだけで、すぐに滑り落ちる。染み込ませなければ、ね。
からだで覚えたことは忘れません。
※自分のノートで復習を!
もし問題集を5冊するより、1冊の問題集を5回するほうがよい。なぜなら
2回目は一回目より時間が早く済むから。3回目は2回目やったことで気づ
かなかったことを発見するから。4回目にはほぼ覚えてしまうから。5回目
には目を瞑っても解法が頭に浮かぶから。<これはひとつの譬え>
これと同じくらい効率的、かつ頭にしっかり記憶できる勉強方法は、ノート
に問題を写し、自分のことばで書き、ポイントを考え、まとめることでしょ
う。これは今に始まった勉強方法ではなく、昔からあるパターンのひとつで
す。見直した際に瞬間で判るように、またポイントを自分の目で確認できる
ように、赤とか青を使って記憶を鮮明にするのも、当然の作業。
問題が複雑、難解になればなるほど復習をして、わかった事、まだじゅうぶ
んわかっていないことを考える。その際、ノートにするわけです。印刷され
た問題を見直すのではなく自分の手で問題を書き、図形やグラフを写す。実
はこの写す作業のなかに、手と目と頭をフル回転してるわけです。記憶がよ
り深く焼き付けられる。そして同時に、今まで気づかなかったことが見えて
きたり、新たな発見も出てくるわけです。自ら考えたことは忘れないもので
す。人から教えられたことはいとも簡単に忘れるのに反して。
結局つまるところ、習ったら、自分の頭で考えることです。自分でわかって
できたことしか、テストではできないのですから。そのできることをノート
でしっかり掴んで、増やしてください。それがきっと、あと20点アップに
繋がるたしかな道ですから。
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《追加−注意点》
●ノートに図形、関数を写すに際して。
正確に書かねばならない場合を除いて、モノサシは使わずに図形を描けるこ
とがいいです(関数も同様)。
なぜか?
1.入試問題では、図形の断面図や平面図を描いて解き進める場面が、実に
よくあります。そうしなければ、まったく解けないからです。そこでは
モノサシを使ってきれいに描く時間などあまりありません。そのぶんさ
っと手書きでほぼ正確に描いて、考える時間に費やすべきです。訓練を
積めば、すばやくほぼ正確に描けるようになるものです。)
2.図形を見る目が養われます。やっていけば次第にわかります。
(因みに、半円と立方体を描いてみてくださいor描かせてみてください。
1分もかかりませんから。果たして自然に見えるでしょうか? 何か不
自然に見えませんか? それはよく図形を見ていないからです。即ち、
図形能力がかなり不足してる可能性大です。ふだんから、よく観るよう
に、正確に見つめる訓練を積んでおくことです)
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