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§415 文理学科の数学の問題を解いてみて思うことVOL.1
<数学が決め手>
今回は日本の一地域にすぎませんが、公立入試の内容について書いてみます。わたしが住む大阪府の公立高校入試の「数学」に関して。
「大阪の教育力向上プラン」によって、大阪府立高校約180校のなかで10校が進学指導特色校に指定され、文系・理系ともに対応した「文理学科」、いわゆるトップ高のなかでもさらにエリートコースが設置されました。この文理学科の入試選抜なる概要は、学力検査360点満点(英・数・国3教科と小論文)と内申点165点満点の合計で決まります。
つまりこの配点比率は以前、学力検査:内申が5:5から6:4(後期受験)に変更されてきたものを、文理学科では7:3と学力検査により一層重きを置いた形を表しており、しかも後期の試験では従来同様5科目にたいし、この前期選抜の文理学科では3科目でのみ学力をみるので、英語と国語と数学の重さはさらに増した形になります。(高校での学習、そして国公立大学入試のことを考えると、やはり理科と社会の能力も問う5教科であるべきだとわたしは思うのですが。)
こうなると、3科目のうちでひとつでも苦手があるとか、実力が低い科目があるとハナから勝負にはならず、しかしそんな後ろ向きな指摘はここでは意味はなく、英・数・国が学校や塾レベルではできていても、果たしてそれがどこまで本物かが厳しく問われるので、重々その学力の正確な把握とまたより高い力をつけておくことが望まれます。
厳しく問われても、まず誤差が少ないのは英語と国語でしょう。生徒はまずまずの結果を出すものです。しかし、問題は数学。これは一般の入試でもまったく同じですが、より誤差が生じるものです。つまり、数学の得点力によって入試の合否は決まる、と九割方いえるかと思います。
その数学を今回、見てみたい。けれどもここでは具体的に問題を出せない。その問題も見るだけではほんとうはわからず、実際にやってみてはじめて実相がわかる。では、どうするか? 無理やり文章化するしかないではないか。
ということで、わたしの偏見と独断もあるけれど、数学の問題を分析・評価してみることにします。(ただし、正確な実情との誤差は2、3%ほどはあるかとお考えください。) また、文理科といっても10校ありそのレベル差は厳然とあります。以下ではそのなかでもトップ集団4校くらいを想定して書いています。
まず問題のレベル、難易度を、わたしの判断で★印で表してみました(☆は★の半分くらい)。
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文理学科<数学のテスト>120点満点〜制限時間60分
★ :教科書や授業など中学で習った基本が身についていれば、まずでき
る問題です。(16点)
★☆ :たった1問しか印がついていませんが、基本レベルの問題です。し
かし正答率の面で、あまりよくないだろうということで1.5にしま
した。(5点)
★★ :入試の応用レベルです。いわゆる入試対策の勉強を行って、しっか
りできるようになっておきたいレベルの問題です。偏差値でいえば
60から65くらいの間に属する問題といえるでしょうか。(54点)
★★★ :数学の真の応用力と思考力が問われる、文理科受験生にとっては勝
負となる問題です。ここで差が、確実に出るように作られている。
偏差値でいえば、68から70くらい。(28点)
★★★☆:★★★の問題とそれほど差はないが、微妙に違うともいえる。超難
関私立の問題に較べればそこは公立入試の問題、まったく歯が立た
ないような問題の作り方ではなく、とっかりや攻略の糸口は探れる
ように作ってあるけれど、その力をつけておくには相当な演習と準
備が要るだろう。(17点)
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<問1>小問{計52点}
(1)計算(中2レベル){5点}
★ 基本の計算である。実力テストでよく出る問題。
(2)平方根の計算(式の値を求めよ)(中3レベル){5点}
★ みた目すこし数値が大きく、途中どうなるか不安がよぎるかもしれな
いが、相殺されて、なんだ簡単ではないかと思う問題。微妙な計算ミ
スを起こさす可能性がある問題だが。
(3)確率(中2レベル){5点}
★☆ これはていねいに36通り列挙して考えればいい問題。ていねいでな
ければ、当然数えミスが出る。正確性が要求される。偏差値50程度の
生徒はまずできないし、また60以上あってもミスが出る問題であろう。
(4)図形の計量(回転体の体積を求める){5点}
★★ これはそんなに難しくはない問題だけど(だから配点も5点)、コ
ツコツと解けば式も時間もかかり、また計算ミスも誘発される問題。
中点、相似、体積比(全体の8分の1)で工夫して解けば30秒くらいで
簡単に、かつミスなく解ける問題。教科書通りまたは授業で教えられ
たとおり解いていくと、3分くらいは最低かかるのではないか? そん
な時間が惜しい。あとの問題でもっと時間がかかるからね。とにかく
テキパキ解きたい。そのやり方がわかっているかどうか?・・・。
(5)��1次関数と整数問題の融合問題{5点}
★★ 具体的に図を描いて考えればできる問題だが、この種の問題形式に
慣れていないと、すこし戸惑う可能性あり。
�↓,糧�展{7点}
★★★ 大きくは規則性を問う問題に入るか。解き方の表現や考え方に慣
れていないと、まったく攻略の糸口が見えない問題であろう。ちょっ
と考えて糸口が見えなければ、あっさり放棄する問題である。そうい
う姿勢が身についておらず、粘り強く考えてここで手間取っていれば、
気分的にも思考力的にもダメージを受けて、あとの問題にその影響が
残るであろう。ひとつのいやらしい罠であるかな。この種の問題パタ
ーンの解法を知っていれば、すいすい解けるであろうが、いったいど
こで本格的に習うというのか・・・。
(6)��2次関数での証明{12点}
★★★ この(6)は従来なら、独立した大問として取り扱ってもおかしく
ない問題だけど、さすが文理科のレベルの問題というか、<問1>のな
かに含めている。2次関数のさまざまな応用問題をやって、そのよく使
う考え方や解法を手の内に入れておけば、形はたとえ証明でもさして
難しくはない説明できる問題である。ただ偏差値65くらいでは半数も
できないであろうから、★★★にしてあります。
��値を求めよ{8点}
★★ これは定番的な問題である。あきらかに応用レベルであるが、解法
の道筋はみえており、しっかりできることが求められる。
<問2>図形<平面>問題{計33点}
(1)円の証明(合同){12点}
★★ 穴埋めではなく、すべて自分で書いて証明していくのが、大阪府の
証明問題。今回は相似ではなく合同の証明。いわゆる応用の基本パタ
ーンの証明である。これで12点くれるのだからありがたい。部分点も
もらえるが、逆に説明足らずで部分点を引かれるような愚は避けねば
ならない。
(2)� �12点}
★★ いい問題です。難なく解けてほしいが、それにはやはり相当入試レ
ベルの図形問題を豊富に解いて力をつけておくことが前提である。
★★印にしてあるが、この問題に限らず図形の応用問題は、解けない
とほんとに難しく感じるもので、そのような生徒にとっては★★★に
感じるだろう。しかし客観的にみて、★★が妥当だろう。
�◆�9点}
★★★ これはさらにいい問題。図形問題を解く際の基本の作業(補助線
や角度の記入ほか)から、応用レベルを攻略する知識とテクニック、
それらすべてが混じっている問題である。つまり、それらが手の内に
完全に入っていて使いこなせないと解けない。文理科受験生でも、お
そらく8割以上は途中であきらめるか、最後まで練って考えても解け
ないのではないだろうか。しかし、このレベルの数学問題が解けない
ような力では、もし合格しても高校の数学はもっと大変なことになる
ことを覚悟しておいたほうがいいだろう。
<問3>図形<立体>問題{計35点}
問題文の説明、条件が長い。ていねいに読むのは基本だがちとくどすぎるほ
ど長く、そこがうっとうしい。いままでの過去問にはないことで、今後馴れて
いくことが必要であろう。
(1)� �6点}
★ 基本というより基礎の問題。★以下のレベルだ。
�◆�12点}
★★ 配点は高いが、それほど難しい問題でもない。空間図形攻略の基本
作業をやれば、まずスムーズに解ける。つまり、空間から平面への移
行、別の平面で相似を捉えてそれを反映させれば、解けるパターンで
ある。しかしこの攻略のパターンと感覚をごく当たり前のように身に
つけるには、相当な訓練が要る。
��{8点}
★★★☆ これはけっこう難である。�△茲蠻枦世�低いが、難度はこちら
のほうが明らかに上。ひとつ加えられた条件から3平方の定理で、あ
る線の長さが出る。平面に戻して、そこで考える。適切な補助線を引
けるかどうかが、ポイントになる。さらに3平方の定理をニ度使えば
求まる。
(2){9点}
★★★☆ ふつう公立高校の入試問題(大問)は、(1)から(2)あるい
は(3)へと前の問題の知識を引き継いで次の問題にあたるのが基本
であるけれど、この問題の場合、(1)と(2)はあきらかに条件も変
わり図も変わり、(1)の問題の前に長々書かれている条件は同じと
して、まったく別問題になっている。しっかり表記のしかたをみれば
(1)のなかに� ↓◆↓�へと徐々に問題が発展しているわけで、つ
まり、(1)で求められた数値は関係なく(条件が変わったのだから
当然であるが)、そこで得た考え方はほとんど関係なくなることにな
る。ところがその考え方を変に引きずってしまうと、(2)の問題を
解くときに混乱と障害を伴うので、これは大いに注意したいことであ
る。過去問(文理科入試はこれが初年だが)を解くということは、単
に問題傾向やそのレベルを知るだけでなく、こういうことにもじゅう
ぶん注意をはらい、しっかり認識しておくことが大事である。
さて、このテスト最後の(2)の問題。わたしは、できなかったのである。まったくなんてドジを踏んだのだろう。この問題はとくに、確かな計算力が要り、その面のミスもある程度出ることが予測されるが、そういうことではない。制限時間以内にあきらかに攻略できず、躓いて、できなかったのである。たまにこういうこともあるが、それにしても悔しいやら情けないやら、ちいさな失望と挫折を味わってしまった。
以下、だらしない弁明と反省をしてみる。
もちろん攻略のしかたはわかっている。図を3つに切断(そのうち2つは形が同じ)して、真ん中の3角柱といびつな立体(2つ)を各々求めて足せばいい。しかし、切断の位置を間違え、いびつな立体もとらええかたを間違ってしまった。よって解答と合わない。ここで入試なら、万事終わりである。見直す時間も余裕も、このレベルのテストではまったくありませんから。
解答はただ答えのみで解法はまったく載っていないから、もう一度やり直してみる。しかし、できない! 三度四度、そして五度試みるが、それでも解答に辿りつけない。どうやら深い迷路に嵌り込んだようだ。こうなると思考力も気力もすっかり萎え、底をつく。翌日、ちょうど家にいた息子(一応京大工・院卒で理系だから)に訊く。彼もしかし1度目は間違えたようだ。ようやく出た解答にはかなり式が複雑に入ってたが、図形の切断面と4角すい(いびつな立体)の底面の捉え方についてしゃべった瞬間、縺れていた糸が一気に一本のまっすぐな糸に変わったのを感じた。
もうそれ以上説明を聞かず、自分で早速解いてみる。当然できる。ほんとに簡単である。図形問題とは元来そういうものである。なぜ気づかなかったのだろうか? ボタンの掛け違いに。
理由を自問自答したみた。そこで出てきた自戒の弁を書くと。
ひとつは、切れが鈍っていたということ。いささか難度の高い図形問題でも容赦なくスパッと切り込んで入れるよう、つねに刃を研いておかねばならないわけですが、ここずいぶん遠ざかっていて不覚にも刃は錆びていて、また一部刃こぼれもあったように感じる。
もうひとつは、油断というかわが心構えの問題である。数学の問題を解く際
の力加減というか、真剣さの度合いには、いつの間にか習癖で3モードできてしまった。あえて表現すれば、ゆとりモード、真面目モード、真剣本格モードの3つである。真面目モードでやっていたわけであるが、それで最後の問題は通じなかった。そこでスイッチを真剣本格モードに切り替えたのはいいのだが、ふだんはこれで大抵なんとかなるものが、やはり感と姿勢がいつもと違い狂っていたのだろう、それをあがいても修正しきれなかった。(キレイに書けばこうなるが、単純に老化しているだけかもしれない・・・。)
以上見苦しい弁解はここまでとして、しかしできればこの見苦しい内容からなにかをできれば掴みとっていただきたいと思って横道に外れたわけですが、本題に戻ります。
さて生徒は、この文理科の数学試験で、点数はどれほどとれるのか? またどの程度とれれば合格するのか? それはほかの入試と同じで、内申点と学科試験の他の科目(この場合、英語と国語)の点数との兼ね合いになるから、まったくなんともいえないのだけど、あくまで数学の力としてまた高校進学後の数学を学んでいく学力として、目標として到達しておきたいのは8割の線であろう、と考えています。
★と★★の合計は、75点。★★★は28点。★★★☆は17点。計120点満点。8割の線なら、96点となります。★と★★と★★★まですべて正解なら103点。つまり、★と★★のレベルの問題は確実にとれることと、★★★のレベルの問題3題のうち2次関数の証明はできて、あとの2問のうちどちら1問ができていれば、ほぼいいことになります。
しかし実際は、★★★と★★★☆のレベルの差はほんのすこしで、生徒の得意とする問題や馴染みのうすい問題など、あるいはたまたま解けたなどいろんな要因が混じっていて、★★★☆のうち1問ができたのに★★★の問題が解けなかったりとそんな事例はじゅうぶんありますので、★★★と★★★☆の問題をひっくるめた5問の45点のなかでいくらとれるのかを考えたほうがより整合性があるだろうし、部分点を与える問題もあるわけで、まあ結論的に申せば5問中2問最低できること、そして8割の96点ではなく現実的にはもうすこしゆるめた90点以上(でも)あたりが、どうやら最低条件になるかと判断しております。
長くなりましたので、この続きは次回に。
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