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 最難関クラスで勉強するべきか、それともいまのクラスのまま勉強したらいいのか、アドバイスをお願いします。

 人数はそこそこいながら、しかも少数精鋭の塾のようですね。
2クラスがあり、どちらも公立トップ校を目標しているとのこと。その上のクラスに在籍。在籍校舎の上位8名(5名+3名)で最難関クラスの形成。よくわかりました。

 まず昨年の最難関クラス30名の内訳では、
灘 2名
東大寺学園 9名
洛南 2名
西大和学園(特編A)9名<全体は31名>
として、22名が私立トップレベルの高校に進学しているみたいで、7割強ならまずその名に値するといいますか、結構な進学実績だと思います。また公立トップ校44名、準トップ校120名(通学地域によりトップ校)も、全体の人数から比較してもかなり高い割合ですし、授業の質もいいのだと推います。

 さてそんななかで、お嬢さんが通っている校舎の単独授業で、8名の最難関クラス。
現在はそのなかで8位。小学校での成績は、偏差値4科目65.6(5位/300人弱)とのこと。とても優秀ですね。

 しかし優秀なだけに厳しい言い方をあえてしますが、中学での塾の選抜一斉テストでの結果と比較しますと、実力の中身は少し、目減りしているようにも感じます。さらに1学期期末テスト、5科目458点。1年生の1学期の点数ですからまだまだその力はわからないのですが、またそれほどいまは真剣に視て、どうのこうのという評価も早いのですが、されど公立トップ校を目指すならまだ少し不満に残る点数の取り方ともいえます。480点以上取れている生徒もいるでしょうし、またこれが中3の2学期の点数ならわかるのですが、基礎の内容でこの点数はミスと取りこぼしなど粗いところ、直していかねばならない箇所もあるかと思います。

 ご存知のように、私立最難関を目指すクラスでは、その勉強スピードは速く、かなりレベルの高い問題までこなすわけですから、しかも一部高校の分野まで突入して学習することになりますから、お書きのように勉強は猛烈に大変(徐々にでしょうけど)、また学校の定期テストなど眼中にはない授業となるでしょう。つまり、自分で定期テストの対策を、塾以外の勉強としてやっていかねばなりません。それも含めて、公立トップ校受験との両立は思いのほかきつい面があります。

「そのクラスで頑張ってやっていったら、公立トップ校に行けるとは思いますが・・・」とお書きですが、優秀で高い学力を持っている生徒が必ずしも学校の成績がいいとは限らないということ、この逆も結構あるのですが、内申がさてどうなのか、これは油断ならないところが多々あり、定期テストだけではないのですがしかしそのテストの内容が雑になってしまう生徒もいますね。女の子ですから、几帳面でしょうし、真面目に学校の授業その他もやっていけるでしょうから、その面の心配はあまりないかと存じますが、それでも高度な学習の連続に、基礎の学習の結果、つまり定期テストでの自分の点の取り方や、その弱点を直すことに関心が薄くなる可能性も、今後学年が進むにつれ出てくるかも知れません。それが、5科目458点に対する私の印象です。

「公立トップ校に行けたら良いのだから、そのクラスに入って、ついていけなくなって、自信をなくしてしまったりしないだろうか、などと心配しています。」
このお母様の気持ち、心配はよくわかります。

これは直接教えてみなければ、また私なりのテストで評価してみないと正確にはわからないのですが、小学5年生から地元の進学塾に通っていまの成績があるという点を鑑み、判断するところは、おそらく努力型であろうということ、いまの本人の力を70とすると、公立トップ校は80、そして私立最難関は90の位置にあります。実際中3にもなるとわかることですが、この80というのは予想以上にしんどい、苦しいレベルでもあるわけです。まして90の位置にある私立高校は、80とその差は10のようですが、その知識の範囲、問題の質とレベルにねじれの位置に相当する違いがあるのですね。70から80へは長い坂道だとすれば、80から90は石ころの坂道、またときに崖があちこち突き出していてそれを登らねばならない、あるいは別ルートのまったく知らない困難な坂道みたいなものです。

 よって、ついていけなくなる、自信をうしなうのでは?の心配ですが、これは明らかに起こるでしょう。明々白々です。わたしだって、間違いなくそうなります。そんなことは当たり前で、また当たり前として、それをそのときどのように乗り越えるか、辛抱してくらいついていくか、ずるずる下がってまた歯を食いしばって這い上がるか、その覚悟と対処のしかたを、ある程度はもって臨むべきでしょう。しかしそれはまだ本人には難しいところがあり、お母様だけが持っていればいいことだと思いますが。

 それがいつ来るのか、わたしには大体の察しはつきますが、それはいまは問題ではない、余計なことですから書きません。それよりもむしろ、応用的なものをどんどんして、その理解不足、ほんとうにわかるまでの学習が、本人があるいは塾側が思っている、判断している割にはできていない、そのために応用に対する実力不足があとになって露呈する、そのことが心配です。または、応用的なものはできても反対に、基礎に十二分に時間をかけないため不意注意なケアレスミスを繰り返す、授業スピードが速く、基礎の完全理解にところどころ穴があいている、そのため学校のテストでいまいち完全にはできない、そのようなケースが一般によくあるので、そこにも十分注意が必要でしょう。

 以上、私立受験を第一に考えているなら別ですが、あくまでお母様も本人も公立トップ校合格を第一にするとして考えた場合の見解を書きました。そして完全にこちらがいいという提案はしてはいません。それはあくまで本人が決めるべきでしょうし、またいまはうれしくて、特進クラスでの勉強に闘志を燃やしているでしょう。それで様子を見つつ、進めばいいかと存じます。

 ただ上記の内容で、用心して学習を進める部分、応用へのほんとうの理解と習得はもちろんですが、基礎の部分で疎かな点がないよう絶えず目を光らせ、反省をし、さらに定期テストでの点数も確実に維持、向上していくよう、心がけていくことが大事かと思います。