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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§172計算力について new
<肝心なところでの計算力を>

「計算力」について、再び取り上げてみることにします。

 計算力については「計算が遅い生徒達・・・」ですでに言及していますが、今回は別の角度からの指摘と、注意したほうがよい問題点(「計算力」をどこで見極めるか、という視点と認識)について、すこし触れたいと思います。

 中1から中3まで正負の数、文字式、1次・連立方程式、因数分解、平方根、2次方程式など、計算を主体とする単元があります。しかし、それらの各単元に関する定期テストで、速く正確にそしてミスも少なくできて点数がよければ、はたしてその生徒は、計算力があるとみてよいだろうか?!」

 計算力があるかないかのほんとうの判断は、むしろそれを使って解く文章題や関数、図形の問題のなかで、その計算の正確さとスピーディさが着実に活かされているかどうかで下すべきだ、というのがわたしの意見であります。

 計算問題を単純に解けばいいという状況とは違い、文章題や関数、図形の問題を解くという場面では、多かれ少なかれ緊張感と思考の集中と逡巡が伴うわけで、その折に雑な計算、基本から逸脱した計算のしかたでは、それだけでミスを誘発する可能性がより高まるわけです。また現実、多くの生徒はどれだけこの場面でまごついているか、折角解き方がわかったとしても、計算の段階でその数値がおかしくなり、正答に至らないケースが如何に渦巻いているか、わたしは当然ながらその事例をいやというほど、また呆れるほど観てきた次第です。

 観てきたという感想では実際すまないわけで、まるでそれは泥田に足を突っ込んで自分ではどうしようもなく抜けない状態でいるのを、1本1本その足を引っこ抜いては、もとの歩ける途に戻し、田んぼの畦道をちゃんと通らんかと、その計算の基本ルールからつい逸脱してしまう計算のやり方や雑な計算のしかたを訓めてきました。たんに注意を与えるだけではなく、強引に矯正もしてきました。

 さてここまでに、すでに問題点は、3つ含まれています。すべて密接に絡まっているわけですが、あえて区別してみると。微妙に問題点の位相が違うけれど、この3つの中のいずれかに該当する生徒の数は(へたすれば3つとも当て嵌まる生徒も結構いるが)、いまや8割を超えていると感じているから、くれぐれもご用心してもらいたいと思います。

1.計算問題そのものに対する計算力と、関数や図形問題などそれも入試レベルの問題のなかで使う計算力が、生徒においては必ずしも一致していない、という現実を認識しておいたほうがいい。

2.基本から逸脱した計算のしかたは、いったいいつから、またどこで身についてしまったのか?! そしてそれを、誰が修正するのか?

3.注意を与えただけでは、生徒はおいそれとそんなに簡単に、またスムーズに改めはしない。

 まず1番。この力の不一致は、なんとも気づくのが遅い。これは、たとえば中1の正負の数でいっても、四則混合の計算ではごくやさしいレベルしかいまの公立中学で教わらないので、かつてのような複雑な、式のルールをきっちり守りほんとうに注意して計算をしていかねば正答に至らないような問題は、テストではまず出ないわけです。つまり、そこそこの計算力があれば、そこそこはできるわけです。ここに問題あり、といえます。そこそこの計算力であれば、基本が守れていなくても正答できる場合が多いです。しかし、そのような生徒は、難度の上がった複雑な計算問題となると、がたっとその正答率は落ちることになります。高い水準の問題をやってこそ、基本の大切さがわかるんですね。

 次に2番。これは以前にも書きましたが、中1からの入塾生でも相当ひどくその計算式は乱れているわけですが、つまり小学生の段階で本人がきっちり基本を身につけていない、またそのデタラメになる計算方法を逐一直してもらわない指導の結果を引きずっているのだけれども、まあ、そのひどい計算の力と式のいい加減さを根気よく直せたとしても、中2や中3からの入塾生の場合はさらにひどく、学校でも塾に通っていても満足に正しい計算方法と途中式の大切さを学んではいないのが、大方の実情であります。ほんとに呆れます。

 最後の3番。よくですね、次のような言葉を耳にします。
「何度も注意しているんですけど、どうにも言うことを聞かなくて・・・」

 注意することと直すこととは、別でしょう。学校でも同様です。注意はしているんだろうが、ほんとうには直せていない。これはある意味、しかたがない。なぜなら、正しい方法を教えられているのに、それをきちっと守らない、いい加減な式で答えさえあえばいいと思っている生徒の、その心得違いの考えとできの悪さに、大方基本の原因があるのだから。

 そのような生徒は、たんに注意を2,3度したとしても、そしてそれが間違いを防ぐ、また速く計算ができる方法である、と理屈をつけて説明しても、そしてその場では正しい計算式で書いたとしても、まだほんとうには心底わかっていない。それゆえ、時間が経ち別の場面になると、自己流のミスを平気でする計算のやり方に逆戻りをしてしまうものである。そんなに簡単に改めようとはしないのである。まあそこを粘り強く直していくことになるわけだけど、難儀なことです。

 これはまるで手抜き工事の家の、ふだんは目に見えない土台に潜り込んで、補強の杭を打ち込んでいるさまにも似ているが、こと勉強に関しては、土台作りは誰しも最低、自分でするもんではありませんか。

 計算力があるようにみえて実は、そこそこの力しかなく、肝心の文章題や関数問題のなかで、そして重要な図形問題のなかで、ちょっと複雑な計算が混じるとミスを出したり、計算が滞って迅速な処理ができない生徒が、いまは数多くいます。個人的にもじゅうぶんこの基本に目を向けて、その対策を取るべきではないか?! これは小学6年と中1の時期に、特に心掛けてほしいと思います。細かな方法は書かないが、下記のことに留意してみてください。

・計算演習の量を増やし、もっと「速く・正確」にできること。
・高いレベルの計算問題もする。式転換の行が7,8行〜10行ぐらいかかる問題も採り入れる。
・暗算力を磨く訓練をする。375÷15が遅くとも3秒以内でできる暗算力を。