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§454 「一応」という言葉の使い方
<この副詞はどうも・・・>
今回は、どうでもいいことといえばどうでもいいような、まあ、とっても小さなことについて一点、こだわって書いてみたいと思います。
それは、「一応」という言葉の使い方。小学生はほとんどこれを使いませんが、中学生ともなるとなぜかこの言葉を授業中によく使います。
「はーい、○○、もうできたかあ?」
「はい、一応できましたけど・・・。」
「じゃあ、言ってみろー」
と、いった遣りとりのなかで。
この「一応」という飾り文句を耳にすると、こちらとしてはいい結果はあまり予感できないんだな。問題とすべきところは単純、生徒の口から出てくる答えがただ合っているか合っていないかであって、そこにワンクッションかましたような狭雑物の「一応」なんて言葉は要らないし、聞きたくもないんですよ。
答えが合っていればそれでよし、合っていなければ直せばいいわけで、それがどえらい難問で解くのがとても難しいものなら、「一応」できましたという言葉にはそれなりの意味と重さがあると思うけれど、たいていはというか95%以上は、そんなことはなく、ふだんのなかの問題演習なんて次元では「一応」なんてたいそうな言葉を使うなといいたい。つまり、どうもつり合いが採れていないところからくる違和感を持ってしまう。
ちなみに手元の辞書で調べると、「一応」とは、「ひととおり(ひとわたり)、あるいは一度(一回)」と載っていた。いまひとつしっくりこないので、ネット検索すると、本来は「一往」と書くとのことですが、名詞として「
一度。一回」、副詞として「1.十分ではないが、ひととおり。例文:<これで一応でき上がりだ> 2.ほぼそのとおりと思われるが、念のために。例文:<一応見直しましょう>」と載っていた。
名詞はいいとしてほとんど副詞で使われる「一応」は、一応わたしの持っている概念とこれはほぼ一致しているものの、それでもなにかまだすっきりしないものがあって、一応念のためさらに調べてみた。すると、ありました。そのまま転載させていただくことをお許し願うとして。
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「一応」には大きく分けて2つの意味があると思う。
(1)不十分だが。 例 一応 直りました。
完全に直ったわけではない。「直りました」と言って、もし直っていなく
ても、「一応 直りました」と言っておけば、言い訳ができる。
(2)必要ないかもしれないが。
例1「待ち人ゼロでも、一応 番号札を取ってください」
待ち人ゼロなら番号札取る必要ないだろうが。
例2「この書類 必要ないですね。」
「一応 提出しておいてください。」
事務的な応対の役所でよくあること。後で必要になるかもしれないから、
こんなことをよく言う。
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まあ、なんてうまい解説なんでしょう。すっきり得心のいく説明であります。
もちろん中学生が授業で使う「一応」は、この副詞の(1)の用例ですね。
思うことは、勉強のなかにいちいち「言い訳」、あるいは言い訳がましいことを持ちこむな、ということです。たとえ自信がなくとも、また間違っていることが自分でうすうす感じていても、「一応」なんてなにやら背伸びした(?)言葉を挟まず、また曖昧で自己韜晦するような言葉を用いず、あくまで直線的に潔さだけで勝負しろ、といいたい。
「冬休み期間中に1年、2年の習ったところを復習したいと思うのですが、勉強法がさっぱりわかりません。一応学校から配られた受験用のテキストがあって、それをやろうと思うのですが、特にこうした方が効率的だという勉強法を教えてください」
といった生徒の質問が、これまたネットに載っていた。
2週間もない短い冬休みに、1,2年の復習ができると考えていること自体どうかと思うが、それは逆に、勉強法がさっぱりわかっていないからいえる言葉でもあるわけど、5教科なのか数英の2教科なのかも限定されてなく、おまけに「効率的」という言葉まで用いているこの生徒の「一応」は、(2)に属するわけだけど、おそらく(1)もよく使っていることだろう。
これはなにも生徒に限ったことではなく教師のほうもけっこう使っている。
「テストを返しておく。間違ったところは一応よく復習しておくように」
この「一応」はまったく要らない言葉で、むしろ無いほうがましであろう。上記(2)の例のように、「必要ないかもしれないが」というニュアンスが含められて、この「一応」があるがため、ただでさせ復習する生徒が現実少ないのがさらに減ってしまうではないか。
かくの如く、副詞のこの「一応」は、(1)の「不十分だが」の意味にしても(2)の「必要がないが」の意味にしても、修飾語句としてはほとんどの場合、響きだけはもっともらしいがその実内容がうすい使われ方をされているように思うのだけど、さてどうでしょうか・・・。
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