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  高校入試でターイセツなこと、って何だ?!
§233 情報の真偽についての雑感
<くだらない情報と価値ある情報>

 一生持ち続ける情熱があるかと思えば、束の間のはかない情熱もある。どちらも大事。情熱と意欲は少し性格を異にするけれど、この束の間の情熱に支えられた意欲は、無理やり出そうと思っても出せないもので、いったん出れば、それが最後の火が燃え尽きて灰になるまで、感情と精神がかすかすに涸れるまで、ひたすら黙って追い求めなければならない。そうでないと、ものは完成しない。

 硬く書けばそうなるんだけど、軟らかく書けば、天麩羅揚げている最中に電話がかかってきて手が離せない、うん、もおーっ、よりによってこんなときに・・・、と思うのに似ているか。途中で他の事をすると、単細胞気味の頭にはどうもいけない。

 いま「力のある算数」という新問題集の作成に、ようやく湧き出た意欲と頭が縛られていて、一日8時間くらい算数の世界で呼吸している。本来、数学を専門領域としているため、なにやら気分は出稼ぎの心境で、まとわりつく空気も違い、早く戻りたいよというのが正直な感想。しかし、短くとも暗いトンネル貫通工事に入ったようなもので、一旦入った限りは途中でやめると負けになるのでそうもいかず、とにもかくも出口を開鑿するまで前へ前へと掘り進めていかないと終わらない。

 そんな状況で大切なメルマガ作成の作業がここ最近渋り気味といいますか、支障をきたすようになってきました。今回の配信を飛ばすと次回には3週間もあいてしまいますので、さすがにそれはよろしくないだろうと思い、急遽近況報告がてら、これを書くことになった次第です。

 今回のテーマは情報の真偽についての雑感で、学習に関する「くだらない情報と価値ある情報」について述べる予定でしたが、「くだらない情報や助言」についての論及は書いたものをすべて、削除しました。くだらない情報やアドバイスはネット上では溢れかえっています。それらに付き合って論じる愚かさに気づいたといいましょうか、ただただ嫌な気分が残るだけです。

 そこで価値ある情報のほうだけ、それも一つだけ取り上げることにいたしました。わたしのネット上でのデータ収集はそもそも興味が殆どないといいますか高が知れているのですが、そのなかで、下記の情報は、勉強する上で数少ない価値ある情報のひとつかと思うので、お断りも得ないまま誠に恐縮ですが、ここに載せさせていただきます。

 これはすでに上のお子様が高校生になっているご父母の方、いや、直接本人に参考になることかも知れません。ただし、数学が難しくどうして勉強したらいいか、などと満足な努力もせずただ口先で言っている段階の生徒や、学校の試験の平均点云々を基準に考え気にしている生徒には用はないものだろうし、かなり本格的に高校数学に取り組み、真剣に、目一杯自分の力を伸ばそうと苦しみ、または意欲を燃やして対峙し続けて学習している生徒にしか、この啓示は真には届かないでしょうが。

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「あまりこの言葉は語弊を生みやすいので使いたくないですがやはり、受験数
学に限らず、大学の数学においても「数学は暗記」としか捉えようのない考え
方が広まりつつあります。数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞の日本人
受賞者のひとりである故・小平邦彦博士は、「学生時代、どうしても数学がわ
からなかったら、写して考えたらわかった」と言っておられます(飯高茂(編)
『微積分と集合そのまま使える答えの書き方』(講談社サイエンティフィク)。

 実際この本もいわば「大学生のための暗記数学」というべき本です。実際、
小平博士の「受験数学はテクニックがなければ解けない」と語られた話は福井
一成『一発逆転秘裏ワザ勉強法』(エール出版社)にも出ています。

 日頃から、数学の「道具」を使い込み、その中でその「道具」の何たるかを
考察する。これが「大学以降の数学の基礎」だと思うわけです。しかし、その
「『道具』の何たるかを考察する」以降の話は受験数学では要求されません。
受験数学には「基礎」「初歩」「応用」という3つの層があるわけですが、
「『道具』の何たるか」の考察は「基礎」に当たるものです。教科書の練習問
題や例題は「初歩」事項です。大学入試の数学の前提知識の集まりです。

「初歩」がわからなければその「応用」もわかるはずがありません。その前提
知識の理論背景に当たるようなものが「基礎」になります。とりあえず「基礎」
がわからなくても、「初歩」事項は納得することはできます。「初歩」に対し
て「なぜ」と考え出したら際限がなくなります。受験数学については、どこか
で割り切らなくてはなりません。また、高校や予備校に「問題がわからなかっ
たら教科書(=「初歩」)に戻れ」という先生もよくいますが、やはり「応用」
事項も「知っているか、知らないか」の問題ですので、自分でゼロから生み出
すものではありません。「数分解こうとしても無理なら答えを見る。そして答
えを見なくても解けるようにする」。これが受験数学の上達の近道です。」
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